英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、エルカーン会長が同じ週末バーレーンでの世界耐久選手権(WEC)をフェラーリが制覇した事実について「フェラーリが『ひとつのチーム』として機能すれば勝てると示している」と強調した点に注目。「この発言は、彼(エルカーン会長)がF1チームをどう見ているかを暗に示している。つまり、『WECは団結しているが、F1チームはそうではない』というメッセージだ。意図がどうであれ、これは何らかの警告と言える」との見解を示した。
しかし続けて、「WECとF1では、挑戦の規模が全く異なる。そして、これまでF1での成功を阻んできた多くの改革や決定を承認してきたのは、他ならぬエルカーン会長自身だ。フェラーリが『ひとつのチーム』であるべきだというなら、その出発点はチームの最上層、すなわち会長本人から始まらなければならない」と、皮肉も込めて反論している。
また、日刊紙『Gazzetta dello Sport』は、まずフェラーリの両ドライバーが「余計な発言」などしていないと指摘したうえで、「実際の問題はドライバーではないと、エルカーン会長も分かっているはずだ。フェラーリが苦境に陥っているのは、昨季見せた進歩を継続できず、ライバルたちに後れを取ったから。『SF25』はシーズン当初から設計面で深刻な欠陥を抱えており、シーズン途中の修正では、競争力も安定性も取り戻せなかった」と主張した。
「F1は、優れたメカニックの作業や速いピットストップだけで勝てるものではない。シーズンを通じて戦える車と、それを開発できるエンジニアリング能力が必要だ。しかし、今のフェラーリにはその両方が欠けている。WECの勝利を称えるのは当然だとしても、技術面でも、規模でもF1とは全く異なり、比較できるのは、せいぜい「チームの結束力」や「一体感」の部分だけ。それを『成功の秘訣』や『万能薬』として掲げるのは理想主義的すぎる。実際は、ハミルトンに表彰台を争えるだけの車すら与えられていないのだから...」
また同メディアは、エルカーン会長がチーム代表のフレデリック・バスールに対しては「フェラーリを競争力のあるチームにするために全力を尽くしており、その姿勢は夏の間にも確認された」と評価している点について、下記のように疑問を呈する。
「彼(バスール代表)の3年間の成果を見ると、昨季後半を除けば、成功とは到底言えない。本来フェラーリは2025年にタイトルを狙うはずだったのだ。もしこれがサッカーなら、監督はすでに解任されていただろう。ドライバーを批判している場合ではない」
第19戦アメリカGPでは、ルクレール19ポイント(スプリント5位、決勝3位)、ハミルトン17ポイント(スプリント4位、決勝4位)と一定の競争力を見せたフェラーリだが、このまま2020年以来5年ぶりとなるトップ3陥落の屈辱を喫してしまうのか。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】不運ルクレール...ピアストリ&アントネッリの接触の煽りを受けてリタイヤ、衝突の瞬間を3つのカメラで
しかし続けて、「WECとF1では、挑戦の規模が全く異なる。そして、これまでF1での成功を阻んできた多くの改革や決定を承認してきたのは、他ならぬエルカーン会長自身だ。フェラーリが『ひとつのチーム』であるべきだというなら、その出発点はチームの最上層、すなわち会長本人から始まらなければならない」と、皮肉も込めて反論している。
また、日刊紙『Gazzetta dello Sport』は、まずフェラーリの両ドライバーが「余計な発言」などしていないと指摘したうえで、「実際の問題はドライバーではないと、エルカーン会長も分かっているはずだ。フェラーリが苦境に陥っているのは、昨季見せた進歩を継続できず、ライバルたちに後れを取ったから。『SF25』はシーズン当初から設計面で深刻な欠陥を抱えており、シーズン途中の修正では、競争力も安定性も取り戻せなかった」と主張した。
「F1は、優れたメカニックの作業や速いピットストップだけで勝てるものではない。シーズンを通じて戦える車と、それを開発できるエンジニアリング能力が必要だ。しかし、今のフェラーリにはその両方が欠けている。WECの勝利を称えるのは当然だとしても、技術面でも、規模でもF1とは全く異なり、比較できるのは、せいぜい「チームの結束力」や「一体感」の部分だけ。それを『成功の秘訣』や『万能薬』として掲げるのは理想主義的すぎる。実際は、ハミルトンに表彰台を争えるだけの車すら与えられていないのだから...」
また同メディアは、エルカーン会長がチーム代表のフレデリック・バスールに対しては「フェラーリを競争力のあるチームにするために全力を尽くしており、その姿勢は夏の間にも確認された」と評価している点について、下記のように疑問を呈する。
「彼(バスール代表)の3年間の成果を見ると、昨季後半を除けば、成功とは到底言えない。本来フェラーリは2025年にタイトルを狙うはずだったのだ。もしこれがサッカーなら、監督はすでに解任されていただろう。ドライバーを批判している場合ではない」
第19戦アメリカGPでは、ルクレール19ポイント(スプリント5位、決勝3位)、ハミルトン17ポイント(スプリント4位、決勝4位)と一定の競争力を見せたフェラーリだが、このまま2020年以来5年ぶりとなるトップ3陥落の屈辱を喫してしまうのか。
構成●THE DIGEST編集部
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