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競馬

唯一の外国馬カランダガンのリアル評価は? 日本の大将格ダノンデサイルが主軸【ジャパンC】

三好達彦

2025.11.29

日本勢の大将格はダービー馬のダノンデサイル。写真:産経新聞社

日本勢の大将格はダービー馬のダノンデサイル。写真:産経新聞社

 では、今回のカランダガンの来日をどう捉えればよいのか。参戦の理由のひとつは、同馬がせん馬であることだ。

 牡馬の場合、残念ながらジャパンカップを勝つことによって欧州で種牡馬入りする際の評価が上がることは考えにくいため、リスクをとって参戦するメリットに乏しいという背景がある。そうした意味では、種牡馬価値というオプションを考慮しなくていいせん馬は、ある程度のリスクをとっても5億円という1着賞金を狙う意味は相対的に大きくなる(カランダガンの場合、指定競走のキングジョージを勝っているため、本レースを勝利すれば付加的な褒賞金300万ドルも与えられる)。

 ちなみにグラファール調教師は昨年もせん馬のゴリアットでジャパンカップに参戦。勝ったドウデュースから0秒5差の6着となっており、今年のカランダガンにも相当な期待を持っていると捉えるべきだろう。

 カランダガンの戦績で馬場適性を測るうえでひとつの物差しとなるのは、今年4月のドバイシーマクラシック(芝2410m)となろう。このときの自身の走破タイムは2分27秒2で、日本の馬場を基準にすれば決して速いとは言えないが、1着のダノンデサイルとの着差が1馬身1/4であることを考慮すれば、時計に関する印象は変わってくる。そして同馬が本格化するのはそのあとのことなので、ダノンデサイルとの差は詰まっているはず。東京のスピード馬場というアウェーの戦いでも劣ることはないのではないか。

 またカランダガンのストロングポイントである末脚だが、時計が分かる限りではサンクルー大賞で上がり600mで33秒67を叩き出しており、エンジンのかかりは遅いものの、瞬発力勝負で日本馬に引けはとらないだろう。大きく「本命」もしくは「軸」には推しづらいカランダガンだが、それでも末脚の爆発力は大きな魅力。頭まである”単穴”(3番手)に評価したい。
 
 よって、今年のジャパンカップで主軸に推したいのは昨年の日本ダービー馬ダノンデサイル(牡4歳/栗東・安田翔伍厩舎)だ。前走の英インターナショナルステークス(G1)は、イレ込みや特異な展開に苦しんで6頭立ての5着に敗れたが、帰国後の立て直しは順調。放牧先から早めにトレセンへ戻し、1か月以上じっくりと乗り込んで臨戦態勢を整えた。

 続いて対抗にはタスティエーラ(牡5歳/美浦・堀宣行厩舎)をピックアップする。4月末のクイーンエリザベスⅡ世カップ(G1)を制したのち、約半年ぶりとなった前走のGⅠ天皇賞(秋)は、早めに抜け出したところで押し寄せる後続にのみ込まれて0秒4差の8着に敗れた。しかし陣営は「良化途上という状態」(河原龍義調教助手)と振り返り、その敗戦を悲観してはいない。最終追い切りは今回が4連続騎乗となるダミアン・レーン騎手を背に鋭い動きを披露。状態は明らかに上向いており、巻き返しは必至と見る。

 単穴評価のカランダガンをはさんで、4番手には3歳馬のマスカレードボール(牡/美浦・手塚貴久厩舎)を取り上げる。3歳にして天皇賞(秋)を制したのは本馬で4頭目の快挙。高い能力はこの一例をもってしても明らかだが、クリストフ・ルメール騎手の神がかった手綱さばきを含め、あまりにもすべてが上手くいきすぎての勝利だったこともまた事実。加えて、3歳牡馬がジャパンカップを勝ち切るのはなかなかの難事のようで、1986年以降では1998年のエルコンドルパサー、2001年のジャングルポケット、2010年のローズキングダム(1位ブエナビスタ降着による繰り上がり)と、史上3頭しかいない。このデータも含め、やや評価を下げた次第である。

 以下、必ずしも調整過程が順調だったとは言えない海外遠征組のクロワデュノール(牡3歳/栗東・斉藤崇史調教師)とシンエンペラー(牡4歳/栗東・矢作芳人厩舎)も、底力を考えると馬券圏内へのマークは必要。加えて高配当を狙える穴馬として、天皇賞(秋)3着のジャスティンパレス(牡6歳/栗東・杉山晴紀厩舎)、本レースで昨年2着に入ったドゥレッツァ(牡5歳/美浦・尾関知人厩舎)、今春の目黒記念(GⅡ)を制したアドマイヤテラ(牡4歳/栗東・友道康夫厩舎)までを手広く挙げておきたい。

文●三好達彦

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