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ゴルフ

黄金世代の“小さな巨人”。遅咲きの田中瑞希は「いつもどおりにするだけ」と平常心で初優勝を狙う

山西英希

2020.06.27

 今季は最終予選会17位の資格で出場するが、前半戦の出場権しか保持していないため、早めに賞金を稼いでリランキングに備える必要があった。そこで、オフには自分の弱点が何かを考えたと言う。「パー5でのバーディ率が低かったので、100ヤード以下の距離を徹底的に練習しました」。それが功を奏し、初日、2日目はパー5で7個のバーディを奪っている。3日目も2つのバーディを奪っただけに、田中の作戦は大成功と言える。しかも、本人が大きかったという10番のパーセーブも90ヤードをしっかりとピンに寄せたことが要因だ。100ヤード以下の距離を磨いたことは、パー5だけに有効とは限らなかったわけだ。

 最終日は、自身初の最終組でのラウンドとなるが、緊張よりもワクワク感のほうが強いと言う。古江彩佳、西郷真央という自分よりも年下との同組も「逆に新鮮です」と違和感はない。ただ、3打差リードは大きなアドバンテージになるが、優勝争いのプレッシャーは容赦なく田中を襲うだろう。
 
 昨年の賞金女王・鈴木愛も4打差ながら、虎視眈々と逆転優勝を狙っている。ツアー初優勝への道はそう簡単に開かれないかもしれないが、「いつもどおりにショットして、いつもどおりにアプローチするだけです」と平常心を貫くつもりの田中。勝てば、黄金世代としては10人目のツアー優勝者になる。

取材・文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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