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ゴルフ

ウェアだけでなく、勝負強さもウッズ並み。笹生優花が見せた18番ホール強気のパーセーブ

山西英希

2020.08.29

 スタート前の練習場ではショットの調子が悪く、左右に曲げる球を放っていた笹生。しかし、修正するには時間がなく、中途半端に手を入れることでショットがさらに悪くなる危険もある。それを考えて、昨日までに自分が注意していたことを思い出し、無理をしないように心がけた。ラウンド中は18番以外でも曲げるショットが数ホールあったものの、大ケガにつながるほどのミスにならなかっただけに、その判断は間違いではなかったといえる。強い選手ほど調子が悪くても悪いなりにスコアをまとめるが、笹生にもその資質は十分あることを証明した。

「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」では、首位と1打差の3位タイで最終日をスタートして逆転勝利を収めた笹生。今回は初めてトーナメントリーダーとして最終日を迎える。「自分としては追いかけるスタイルのほうが好きなだけに、明日は前回とは違うプレッシャーがあると思います。昨日までのプレーと同じように、しっかりと集中して楽しんでプレーできればいいですね」と気を引き締める。
 
 最終日は荒天が予想され、雨風との戦いにもなる。「ドライバーの飛距離も落ちると思うので、しっかりと対策を考えたい」という笹生。対応力が試されるところだが、この3日間の落ち着いたプレーを見る限り、特に問題はないだろう。ちょうど30年前に同じ小樽カントリー倶楽部で開催された日本オープンでは、笹生の師匠であるジャンボ尾崎が3日目に単独首位に立ちながら、最終日にスコアを落とし、2位に終わっている。笹生にとっては知りもしない昔話ではあるが、逃げ切り優勝を果たせば、師匠の苦い思い出も少しは晴れるかもしれない。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

 

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