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ゴルフ

「ポンコツなゴルフをしないように…」渋野日向子、今季初の予選通過突破。そこで見えた“明確な課題”

山西英希

2020.09.12

「ショットもパットも修正点はたくさんあります」と、ホールアウト後は厳しい表情を見せた渋野。課題は明確だ。バンカーショットに限らず、前半の4番パー4でアプローチを失敗したように、パーオンできなかったときのパーセーブ率が低いことにある。おそらく、『AIG女子オープン』を終えた後、ショットの調整やクロスハンドグリップに変えたパットの練習に費やす時間が多かったのだろう。逆にいえば、その点を修正できれば、スコアを伸ばせる可能性は十分にある。

「ドライバーはよく耐えていたし、アイアンショットも距離感は合っていました」と渋野が言うように、この日もドライバーショットはしっかりとフィニッシュまで振り切っていた。しかも大きく曲げたホールは1つもなかった。飛距離も前日の251ヤードから265ヤードと伸びている。アイアンショットにしても狭い方を狙っているため、グリーンを外すとアプローチが難しくなっただけで、コースマネジメントの問題といえる。そしてパッティングでも、カップの横をわずかにかすめて外すことが圧倒的に多かった。以前よりも間違いなくタッチは合っているのだ。
 
 ただ、いくら渋野が約2週間、相当な練習を積んだとはいえ、今大会はメジャーである。そう簡単にピンそばにつけたり、パット面白いように入るほど甘いコース設定ではない。ましてやスイング改造など試行錯誤していることを考えれば、予選通過しただけでもよしとするべきではないか。

「あと2日間挑戦できるのはすごくうれしいのでアンダーパーで回れるようにしたいですね。こんなポンコツなゴルフをしないようにしたいです」と語った渋野。メジャーの決勝ラウンドは世界のトッププロがそれこそ目の色を変えてコースを攻めてくる。その雰囲気の中で自分のゴルフを試せるチャンスをつかんだわけだから、悔いのないように戦うだけだ。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
 

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