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ラグビー

大西将太郎がロシア戦を斬る!「勝点5という結果は満点だが、8強を見据えるならキック処理の修正は不可欠」

大西将太郎

2019.09.21

ハットトリックを達成した松島(左)はもちろん、中村(右)のパフォーマンスも素晴らしかった。(C)Getty Images

ハットトリックを達成した松島(左)はもちろん、中村(右)のパフォーマンスも素晴らしかった。(C)Getty Images

 とはいえ、この先の戦いを見据えると、課題も浮かび上がりました。もっとも修正したいポイントは、キック処理です。ワールドカップのようなタイトな試合では、キック処理のミスは致命傷につながります。加えて、ボールを保持しないと、日本代表の武器であるアンストラクチャーな状態からのアタックもできない。キック処理で自分たちのボールにできるかできないかで展開は大きく変わるわけです。

 ロシア戦のポジティブな要素は、ワールドカップ初出場組のパフォーマンスでしょう。途中出場の松田力也や山中亮平などが非常に良かったし、スタメンで出た中村亮土もしっかりゲームに入れていました。

 とりわけ、中村は初出場とは思えない落ち着きがあり、調子が上がらなかった田村優のサポートもこなしていました。中村がスタンドオフに入る場面も何度かありましたし、攻守に渡ってキープレーヤーになっていたと思います。

 中村は決して順調にキャリアを重ねてきた選手ではありません。様々な想いがあって、ようやく辿り着いたワールドカップ。そんな晴れ舞台で、非常に大きな仕事を成し遂げたと思います。今後も期待できるでしょう。
 このロシア戦の1勝で、日本のファンの方もラグビーの楽しさ、素晴らしさを感じられたのではないでしょうか。僕自身は開幕セレモニーの時から心臓が止まりそうなくらい動悸が激しく、「この試合持つかな」と思うくらいでした。子どもの頃から憧れていたワールドカップが、日本で開かれ、みんなが熱狂してスタジアムで一体感が生まれる。そんな自分の夢が実現した気がして、泣きそうになりました。ラグビーという文化の魅力が、スタジアムに来た人にも、見ている人にも伝わったかなと思います。

 次戦は9月28日に行なわれるアイルランド戦です。この試合は、日本がチャレンジャーの立場になります。

 アイルランド戦では、やはりキック処理が大事になるでしょう。フィフティー・フィフティーのボールを自分たちのモノにできれば、ピンチは減るし、アタックのチャンスは増えます。そこで大きな差が出てくるので、なんとか自分たちのモノにしたいですね。

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