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ゴルフ

“挑戦者“ではなくなった渋野日向子にのしかかった重圧。逆転負けの「悔しさ」を、彼女をどう受け止めたのか

白鳥純一

2020.12.15

「初日、2日目のゴルフは出来すぎで、3日目、最終日のゴルフがたぶん今の自分なのかなとすごく痛感します」と語った渋野。日本人初のメジャー2勝目、『全米女子オープン』制覇の快挙を達成するチャンスを手にしていただけに、本人が相当なショックを受けているのは容易に想像できる。しかし、自分を卑下する必要はまったくない。振り返ってみても、今年は米ツアー5試合に出場し、すべてで予選を通過している。しかもそのうち3試合はメジャーなのだ。

 前回の遠征ではあれだけ悩まされたショートゲームにしてもアプローチでは何度もカップに寄せるシーンを見せていたし、パッティングでは4日間の平均で30パットを切った。バンカーショットでも8回中5回は1パット圏内に寄せている。4日間で一度もダブルボギーを打たなかった要因はショートゲームの成長にある。そして、何より今回の活躍で渋野のゴルフが米ツアーでも十分通用することや、昨年の『AIG全英女子オープン』での優勝がフロックでないことも証明できただろう。
 
「来年は米ツアーに参戦するためにも、スポットで出場する試合では結果を残したいですね。今回の悔しい思いは米ツアーでしか晴らせないので、絶対にまたここで戦いたいと思います」と語っていた渋野。ぜひともメジャーでの借りもメジャーで返してほしいものだ。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
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