さらに鋭い飛び出しからのインターセプトや献身的なディフェンスも披露するなど、評判通りのオールラウンダーぶりを発揮。後半19分、意表を突くオーバーハンドパスでテビタ・リーのトライを演出した千両役者は、その１分後、大きな拍手に送られながらお役御免となった。

　結局、１トライ・８ゴールの21得点と、デビュー戦でさっそく違いを見せつけたバレットの活躍もあって、サントリーが75－７で圧勝。まだ周囲とのコンビネーションがわずかに合わないシーンも散見されたが、ベンチに戻ってからも流と身振り手振りを交えながら話し込むなど、おそらくこの試合でチームと自身の修正点も素早く見出したに違いない。
  　３シーズンぶりのリーグ制覇へ、好発進のサントリー。“フェラーリ”松島幸太朗はフランスのクレルモン・オーヴェルニュへ移籍したが、開幕戦を見るかぎり、その影響はまるで感じられなかった。これから司令塔バレットがさらにフィットしていけば、手が付けられない存在になるかもしれない。

文●吉田治良

【トップリーグ PHOTO】英雄バレットが鮮烈デビュー！トライも決めサントリーを大勝に導く