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ゴルフ

原英莉花が敢えて“柔らかい“シャフトを選択する理由。米ツアーを見据えた試行錯誤は続く【アクサレディス】

山西英希

2021.03.27

 本来ならその辺りの問題はオフに解決しておくべきだが、致し方ない事情がある。今年第1戦の『ダイキンオーキッドレディス』終了後に海外メジャーである『ANAインスピレーション』の出場が決定。昨年末、『全米女子オープン』に出場した際、アイアンショットでヘッドの抜けが今一つだったことを考慮し、ソールの形状を変えたアイアンとウェッジを使うことにした。

 第2戦から使い始めたが、シャフトとの相性がよくなかったのか、思うような球筋で打てない。「ティアップした球を打つとそれなりですが、芝の上から打つとトップ気味に飛んでいくことが多かったですね」と試行錯誤を繰り返していた。その影響もあり、第2戦は初日に79を叩き、先週開催された第3戦では予選落ちを喫した。今週こそ完ぺきに調整したいところだったが、やはり、練習ラウンドと実戦とでは微妙な違いがあるのだろう。いざ本戦が始まるとイメージとの誤差が生まれてしまった。

「できればドライバーからウェッジまで同じ感覚で振りたいんですけど、番手によって硬く感じたり、軟らかく感じるので、タイミングを変えなければならず、結構大変です」と語る。もちろん、それを言い分けにするつもりは一切ない。「クラブの仕上がり度は50~60%ですが、気持ちで乗り越えたいですし、今週は絶対勝つぞと思って戦っています」と、むしろ闘志を燃やしていた。
 
 今季は賞金女王のタイトルを獲得することを目標としていた原。昨年の活躍もあり、近い位置にいることは確かで、昨年使っていた国内バージョンのアイアンをそのまま使い続けたほうがその目標を達成する確率が高いと思われる。

 しかし、本人には米ツアーに参戦したい思いも強い。Qスクールの最終予選をクリアするためにも、早い時期に米国の芝に合わせたクラブを使いこなせるようにしたかったのだろう。どちらにせよ、クラブの問題を難なくクリアできるぐらいでなければ、賞金女王にも米ツアー参戦にも近づくことはできない。最終日には、持ち味である果敢にピンに向かっていく攻撃的なゴルフを見せてくれることを願いたい。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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