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【NHKマイルカップを掘り下げる】血統が生きたシュネルマイスターの勝利。クロフネ以来、20年ぶりに外国産馬が戴冠

三好達彦

2021.05.10

 このレースは、初回から6連勝を記録するなど外国産馬の独壇場だったが、その後は内国産馬が巻き返して久しい。そして今年のシュネルマイスターは、2001年のクロフネ以来、20年ぶりの外国産馬の勝利となった。

 父キングマンはダンジグ(Danzig)系の種牡馬。現役時代は1400~1600mのレースを走り、通算成績は8戦7勝(2着1回)。良馬場での活躍はもちろんのこと、極めてタフなことで知られる欧州の重馬場でも、愛2000ギニー、ジャックルマロワ賞と、GⅠで2勝を挙げている。このことからも、一介のスピード馬、マイラーでないことは分かるだろう。

 プレビュー記事でも取り上げたが、距離適性としてマイルより長めの距離でも通用するぐらいのスタミナも兼ね備える馬が活躍する傾向が強い東京のマイルGⅠだが、シュネルマイスターの今回の勝利はその血統的に傾向に当てはまる。走破タイムの速さも素晴らしく、今後もこの路線での活躍が大いに見込める逸材だ。
 
 わずかにハナ差で涙を飲んだソングラインだが、抜け出す脚の速さと、最後の粘りは特筆に値するもの。この快走で、桜花賞(GⅠ)での15着大敗からよく立て直した牧場と厩舎のスタッフ、また引き続き騎乗して本馬の持ち味である切れ味を引き出した池添謙一騎手の手腕に感服した次第だ。春の最大目標をここに置いていたとのことで、今後の進路は未定だが、秋シーズンが楽しみな1頭となった。

 グレナディアガーズは、ソングラインから2馬身半おかれた3着に敗れたが、ハイペースのなか先行して馬券圏内に残ったのは本馬だけ。あらためてポテンシャルの高さを感じさせられた。

 筆者がプレビュー記事で特注の穴馬としてピックアップしたロードマックス(牡3歳/栗東・藤原英昭厩舎)だが、よく追い込んだものの5着までが精一杯だった。まだ緩さを感じる馬体や、パドックでチャカつくなど、心身ともに幼さを感じさせたが、逆に言えばこれからの”伸びしろ”が大きく残されているということ。秋以降も追い掛けて損はない、と個人的には考えている。

文●三好達彦

【公式動画】スタート直後にバスラットレオンが落馬…シュネルマイスターがハナ差で制したNHKマイルカップのレース映像
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