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【天皇賞・春を掘り下げる】ワールドプレミアが見せたGⅠウィナーの貫禄。”本当の底力”が問われるレースで勝敗を分けたのは?

三好達彦

2021.05.03

日経賞(GⅡ)で”ひと叩き”したワールドプレミアの状態を、友道調教師は「(前走の)ダメージはなく、本当に良くなっています」と語っていた。写真:産経新聞社

日経賞(GⅡ)で”ひと叩き”したワールドプレミアの状態を、友道調教師は「(前走の)ダメージはなく、本当に良くなっています」と語っていた。写真:産経新聞社

 5月2日(日)、第163回天皇賞(春/GⅠ)が阪神競馬場で行なわれ、単勝4番人気のワールドプレミア(牡5歳/栗東・友道康夫厩舎)が、先に抜け出した1番人気のディープボンド(牡4歳/栗東・大久保龍志厩舎)を外から豪快に差し切って優勝。一昨年の菊花賞に続いて、二つ目のGⅠタイトルをものにした。先行した4番人気のカレンブーケドール(牝5歳/美浦・国枝栄厩舎)は粘って3着に健闘。人気馬が上位を占める順当な結果となった。

 降りしきる雨で、前日の第10レースには「稍重」となった阪神の芝コースだが、当日は曇~晴と天候が回復するとともに、馬場状態も「良」となった。メインレースの天皇賞ではレコードタイムでの決着となった。

 とはいえ、このレコードは、本レースにも出走して逃げを打ったディアスティマ(牡4歳/栗東・高野友和厩舎)が2月25日の松籟ステークス(3勝クラス)で記録した「基準タイム(※)」を破ったにすぎず、さほど大きな意味はないように思う。【※基準タイム:コース改修をした最初の開催を通じて、距離別・コース別各々での最高タイム(第1着馬が記録したもの)】
 
 現実的には、キックバックでかなり多数の土の塊が宙を舞っていたことから分かるように、「良」とはいえ、かなりタフな馬場状態であったことは容易に想像がつく。そのためスピードとスタミナを併せ持つ、いわば”本当の底力”が問われるレースになり、終始緩みのないペースでレースが進んだことも相まって、GⅠという最高の舞台で実績を積み重ねた馬が上位を占めたというのが今回の結果であろう。

 ワールドプレミアは一昨年の菊花賞(GⅠ)を勝ち、有馬記念(GⅠ)でも3着に食い込んだが、その後は体調が整わずに昨春は全休。秋もジャパンカップ(GⅠ)6着、有馬記念は5着と、GⅠウィナーとしてはいささか物足りない成績が続いた。

 しかし、今年は3月末の日経賞(GⅡ)を僅差の3着とすると、”ひと叩き”の効果もあって体調が順調にアップしていたという。最終追い切りでも力強い動きをした愛馬に倒して、友道調教師は「(前走の)ダメージはなく、本当に良くなっています」と自信のほどを示していた。
 
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