この中で目立つのは今年4月の全日本個人総合選手権決勝だ。88.532点は2019年の世界選手権でナゴルニー(ロシア)が出した88.772点に肉薄している。
また、Dスコアの伸びも著しい。実際の演技では難度を取れなかったり、技を抜いたりした種目があったため合計36.6点だったが、予定していた構成をすべてこなせていれば、37.1点だった。水鳥強化本部長も「世界最高レベルの難度」と驚く。代表入りがかかった最後のNHK杯は着実に点を取るために難度を下げたが、それでも35.9点と高いレベルを維持している。
現時点では、ひと冬で難度を大幅に上げたために完成度を高められていない種目があったりミスが出やすい種目があったりしており、今後は演技の安定が課題になる。そこは橋本自身も意識しており、NHK杯後にこのように語っている。
「全体的に演技の完成度を上げるのが大事になる。6種目で底上げをして安定感をつけたい。ちょうどよく得点を取れるような演技(構成)を探りながらやっていきたい」
細かく見ると、今年は昨年までなかなか高得点をもらえなかった平行棒で上位勢に見劣りしない演技ができるようになっており、今や弱点はつり輪のみという状況だ。つり輪で一気に飛躍するのは現実的ではないが、努力次第で0.1点、0.2点と上積みできるのがこの種目の特性でもある。
「自分の中では90点を狙って、五輪金メダリストになりたいと思っている」と橋本は目を輝かせている。あと2か月でどこまで伸びるか。一番大きな期待を持って不思議のないポテンシャルを19歳は持っている。
文●矢内由美子
また、Dスコアの伸びも著しい。実際の演技では難度を取れなかったり、技を抜いたりした種目があったため合計36.6点だったが、予定していた構成をすべてこなせていれば、37.1点だった。水鳥強化本部長も「世界最高レベルの難度」と驚く。代表入りがかかった最後のNHK杯は着実に点を取るために難度を下げたが、それでも35.9点と高いレベルを維持している。
現時点では、ひと冬で難度を大幅に上げたために完成度を高められていない種目があったりミスが出やすい種目があったりしており、今後は演技の安定が課題になる。そこは橋本自身も意識しており、NHK杯後にこのように語っている。
「全体的に演技の完成度を上げるのが大事になる。6種目で底上げをして安定感をつけたい。ちょうどよく得点を取れるような演技(構成)を探りながらやっていきたい」
細かく見ると、今年は昨年までなかなか高得点をもらえなかった平行棒で上位勢に見劣りしない演技ができるようになっており、今や弱点はつり輪のみという状況だ。つり輪で一気に飛躍するのは現実的ではないが、努力次第で0.1点、0.2点と上積みできるのがこの種目の特性でもある。
「自分の中では90点を狙って、五輪金メダリストになりたいと思っている」と橋本は目を輝かせている。あと2か月でどこまで伸びるか。一番大きな期待を持って不思議のないポテンシャルを19歳は持っている。
文●矢内由美子