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【オークスを掘り下げる】ソダシの“白毛神話”潰える…ゴールドシップの血を感じさせたユーバーレーベンが“狙いすまし”の勝利!

三好達彦

2021.05.24

 またこれは、馬主のサラブレッドクラブ・ラフィアン、生産牧場のビッグレッドファームの創始者で、今年3月に亡くなった“馬見(うまみ)の天才”、故・岡田繁幸氏への手向けの勝利でもあった。母系は岡田氏が豪州から輸入したマイネプリテンダーから大事に育てた血統であり、母の父であるロージズインメイ(ドバイワールドカップなどG1レース2勝)もまた岡田氏の肝いりで導入された種牡馬だった。

 ちなみに「ユーバーレーベン」とは、ドイツ語で「生き残る」という意味である。

 2着となったアカイトリノムスメは、直線でなかなか進路が開かず、やや追い出しが遅れたのが痛かった。それでも、タフな流れにバテて先行勢が総崩れとなるなか、前が開いてから見せた伸び脚は、あらためて彼女の高いポテンシャルを認識させるもの。秋華賞(G1、阪神・芝2000m)でも有力馬の評価を受けるのは間違いあるまい。

 驚かされたのはアカイトリノムスメにハナ差まで迫って3着となったハギノピリナである。前走で1勝クラスを卒業したばかりでありながら、重賞初挑戦となるここで後方から爆発的な末脚を繰り出し、上位に食い込んでくるとはまったく想像できなかった。3歳春に劇的な成長を遂げた父キズナの血を感じざるを得ない。4着とは1馬身以上の差を付けたことを見ても能力の高さは疑いなく、秋にどのようなレースをするか注目したい。
 
 さて、ソダシの敗戦である。

 吉田隼人騎手はレース後、敗因を尋ねられて、「ひと言でいうと、やはり距離なのかもしれません」と述べている。クロフネ産駒の平地重賞勝利はすべて1800m以下であったのは既報のとおり。それと同時に、人気馬ゆえに周囲からかなりのプレッシャーを受け、苦しい位置での追走となったことも響いているのではないか。

 今後、マイル路線に戻るのか、あらためて2000mの秋華賞へ向かうのか。陣営の決断が気になるところだ。

文●三好達彦

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