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【宝塚記念展望】牝馬の黄金時代到来か?上位人気を占めるクロノジェネシスら3頭の“強み”を徹底分析!

三好達彦

2021.06.26

 クロノジェネシスにとって最大のライバルとなるのが、2番人気が予想されるレイパパレ(牝4歳/栗東・高野友和厩舎)だ。

 デビューから無敗の6連勝で大阪杯(G1、阪神・芝2000メートル)を圧勝。コントレイルやグランアレグリアを千切って捨てた圧巻の走りは衝撃的であり、底なしのポテンシャルを感じさせるものだった。

 その大阪杯の勝利は「道悪適性でまさったから」という声も聞かれたが、レース当日に予想されるのは道悪での競馬で、彼女にも追い風が吹いている感がある。

 小柄な馬ゆえに心配された馬体重も、追い切り後で442キロと、大阪杯当日よりも20キロ増え、成長を見せているのは好材料。今回が初の2000メートル超のレースとなることは課題だが、それを軽く克服して見せてところで何の不思議もない。

 3番手のカレンブーケドール(牝5歳/美浦・国枝栄厩舎)は、”最強の2勝馬”という不名誉な呼び名を払拭したいところ。決め手不足な面は否めないが、19年のジャパンカップ(G1、東京・芝2400メートル)を含め、G1レースで三度も2着に食い込んだしぶとさはなお侮れない。
 
 これまで上記のジャパンカップのように重馬場での好走歴はあるが、国枝調教師は「道悪が上手い馬がいるから、良馬場でやれるに越したことはない」と、馬場適性に関しては上位2頭に譲るとみている様子。これをどう評価するかが難しい点となるだろう。

 上位3頭のほかでは、昨年の菊花賞(G1、京都・芝3000メートル)で無敗の三冠を狙うコントレイルをクビ差まで追い詰めた素質馬、アリストテレス(牡4歳/栗東・音無秀孝厩舎)に注目。今年1月、不良馬場で行われたアメリカジョッキークラブカップ(G2、中山・芝2200メートル)を勝利しているのは大きな強調材料だ。

 また2017年の菊花賞を制し、その後もG1で2着3回・3着1回を記録している古豪、キセキ(牡7歳/栗東・辻野泰之厩舎)もマークしておきたい1頭。この馬も道悪が得意で、前崩れの展開になれば一気に浮上する可能性を残している。

 さて、最後に記しておきたいのは、こういう上位人気の馬の力が”抜けている”レースは、馬券の買い方が難しいということだ。筆者は”観戦料”として少額を投資するにとどめて、もっぱら”見(けん)”(馬券投票を控えて観戦すること)に徹したいと考えている。それでも十分に楽しめるのが、今年の宝塚記念だと思うからだ。

文●三好達彦

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