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【エプソムカップを掘り下げる】秋の中距離路線で躍進を予感させたのは?コース取りの差が勝敗の分かれ目に

三好達彦

2021.06.14

8か月の休養の間に球節のクリーニングを施したザダルが、しっかりと調教を積んでエプソムカップを勝ちきった。写真:産経新聞社

8か月の休養の間に球節のクリーニングを施したザダルが、しっかりと調教を積んでエプソムカップを勝ちきった。写真:産経新聞社

 秋の中距離路線での躍進を目指す精鋭が集い、6月13日に東京競馬場で行なわれたエプソムカップ(GⅢ、芝1800m)。中団から脚を伸ばした単勝3番人気のザダル(牡5歳/美浦・大竹正博厩舎)が、後方から猛追してきた6番人気のサトノフラッグ(牡4歳/美浦・国枝栄厩舎)をクビ差で抑えて優勝を飾った。

 3着には2番人気のファルコニア(牡4歳/栗東・高野友和厩舎)が入り、1番人気に推されたアルジャンナ(牡4歳/栗東・池江泰寿厩舎)は最後の伸びを欠いて10着に大敗した。

 表示は「良」だったが、第9レースのあとからしばらく降った雨で馬場がやや緩んでいた当日の芝コース。特に内ラチ沿いは傷みが進んでいたようで、ホームストレッチではほとんどの馬が内ラチから数頭分を空けて走る様子が見られ、外へ上手く進路を取った馬の伸びが目立った。これが勝敗を分ける一因になった。

 15番枠からスタートしたザダルは馬場のいい外目の中団から追走。直線へ向いても距離のロスを最小限に抑えながら、逃げるエアアルマス(牡6歳/栗東・池添学厩舎)の外から襲い掛かって先頭に躍り出る。そして、さらにその外から猛追してきたサトノフラッグをクビ差凌いで念願の重賞初制覇を飾った。

 コース取りを含め、素晴らしいエスコートぶりで相棒を勝利に導いた石橋脩騎手を称賛するのはもちろんだが、もう一つ、ザダルの底力も再評価すべきだろう。

 3歳時には3連勝でダービートライアルのプリンシパルステークス(L)を制し、秋にはセントライト記念(GⅡ)で3着に入った実績を持つザダル。その後はオープンの関越ステークスを勝つにとどまっていたが、見逃すべきでなかったのは、前走の毎日王冠(GⅡ)の内容だ。結果は勝ち馬のサリオスに0秒7も千切られた5着だったが、実は2着とは0秒2差しか付けられていない”好走”だったのである。
 
 8か月の休養の間に不安箇所であった球節のクリーニングを施して、しっかりと調教が積めるようになったというザダル。秋には中距離戦線で上位を脅かす存在になる可能性を見せた一戦だった。

 2着に敗れたサトノフラッグは昨年の弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)の勝ち馬で、皐月賞(GⅠ)で5着、菊花賞(GⅠ)で3着に入っている実績馬。4歳になっての2戦は不甲斐ないレースで連敗を続けていたが、久々に”らしい”走りを披露した。惜しむらくは、馬群を捌くのにやや手間取るロスがあったことだろう。こちらも先に光明を見出した1頭となった。

 逆に1番人気を裏切ったアルジャンナは雨で緩んだ馬場に泣かされた。「いいポジションを進めたのに、今日は伸びがなかった」とルメール騎手が振り返ったように、直線で脚色が鈍ったあとは無理に追うのをやめての10着。終いの切れ味がストロングポイントの馬だけに、この1戦で見限るのは早計ではないか。

 最後に触れておきたいのが、プレビューで推奨した8番人気のヴェロックス(牡5歳/栗東・中内田充正厩舎)。スタートからインに押し込まれ、伸びかかった最後の直線でも前が塞がって内に進路を取らざるを得なくなっての4着敗退だが、こちらは内寄りの3番枠に入ったのが仇になった印象。復調へのきっかけを掴んだと感じる一戦で、今後”要マーク”の1頭として覚えておきたい。

文●三好達彦

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