専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
格闘技・プロレス

予想だにしなかったまさかの決着…刀羅ナツコとの11分33秒で林下詩美が魅せた“王者の風格”【スターダム】

橋本宗洋

2021.07.05

ナツコの負傷という不完全燃焼の決着となったが、林下のリング上での振る舞いはさすがだった。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

ナツコの負傷という不完全燃焼の決着となったが、林下のリング上での振る舞いはさすがだった。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 観客からは、ナツコを鼓舞するような拍手が送られていた。不完全燃焼ではあるが、どうしようもないアクシデントでのストップ。不満よりもナツコを見守る気持ちのほうが先だ。

 挑戦者だけでなくチャンピオンにも、大事なタイトルマッチが“未完成”で終わった悔しさはある。マイクを握りながら林下の声が震える場面もあった。それでもしっかりと自分の意思を伝え、大会を締めたのはさすが。チャンピオンとしての風格、責任感を観客にしっかり見せたという意味では、これも立派な防衛戦だったと言えるのではないだろうか。
 
“チャンピオンらしさ”をさらに増した状態で、7月末からは恒例のリーグ戦「5 STAR GP」が始まる。昨年にこれを制し、その勢いでベルトを掴んでいた林下は、「2021年も最高の夏女になって優勝、そして挑戦者を指名して防衛します」と力強く宣言している。

 リーグ戦の最中である8月12日でデビュー3周年となる。キャリアを考えれば、林下がこの夏さらに成長する可能性は充分にある。そうなれば、赤いベルトのチャンピオンは、いよいよ難攻不落の存在になっていくだろう。

取材・文●橋本宗洋

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号