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モータースポーツ

「グリップが強いと思っていた」角田裕毅、デビュー前にF1を「過小評価」していたと告白。「ルーキーは皆同じ」と語るトスト代表の興味深い話も

THE DIGEST編集部

2021.11.02

 結果、どのセッションでも速さを見せてやろうと意気込んだ日本人ドライバーは、続く第2戦エミリア・ロマーニャ・グランプリではフリー走行から決勝までスピンを繰り返し、そこから徐々にF1の難しさを知って、自信を失い、大幅なアプローチの変更を余儀なくされることとなった。

 しかしフランツ・トスト代表は、この角田のデビュー当初の楽観的な見解に驚きを示すことはない。彼は「ドライバーは皆、F1を過小評価しているものだ。ツノダは、我々と仕事をする初めての日本人ドライバーだったが、変わった点はそれだけで、あとはこれまでのドライバーと同じだ。誰もが非常に才能があり、偉大だった。そして、すぐに勝利を求め、そのために焦り過ぎてしまう点も」と語っている。
 
 トロロッソ時代から10年以上にわたってチームを運営し、セバスティアン・ヴェッテル、ダニエル・リカルド、カルロス・サインツ、マックス・フェルスタッペンといったトップドライバーと仕事をしてきたトスト代表は、「彼らはF1に昇格した時、自分が全てを理解していて、簡単に速さを示せると思っていた。そして、だいたい最初は良いレースを見せるものだ。その後、(自信を持った)彼らは『本当の力を見せてやる』と考える。結果、クラッシュする」と、有能なルーキーたちの共通点を指摘した。

「ルーキーがF1を完全に理解するには3年が必要」とことあるごとに主張しているトスト代表にとっては、角田が今季、苦労することも織り込み済みだった。そんな名伯楽の下、今では地道に成長への道を辿り、その成果を示しつつあるルーキーは、偉大な先輩と同じようにF1を代表するような存在となることができるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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