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ゴルフ

残り2戦で賞金差は約1700万円――。稲見萌寧が腰痛抱えながらも“9打差圧勝”できた理由とは?

山西英希

2021.11.15

 昨年からパッティングの練習時間を増やした効果も大きいが、その精度が向上したきっかけは些細なものだったという。

 ショット、パットともに不調だった全英女子オープンからの帰国後、「ショットが悪くなるのは仕方がないけど、パターをもう少し頑張ろう」と思ったという。

 それまでも奥嶋誠章コーチからパッティングの練習量を増やすよう何度も言われていたが、今一つパッティング練習が好きではなく、パターよりもクラブを握る時間のほうが圧倒的に長かった。1対9の配分から2対8の配分に変えたといい、以前のままの配分だったら現在の活躍はなかったかもしれない。

 最終日はピンそばにつけるショットもあったが、13番パー5では13メートル、14番パー4では4メートル、そして最終18番では9メートルを沈めてバーディを奪った。
 
 初日の後半から1つもボギーを叩なかった理由を「パッティングがよかったから」と稲見自身も認めている。ショットメーカーがパッティングの調子もいいのだから、優勝争いをする相手にしてみればたまったものではない。今回の優勝は、“稲見強し!”の印象をさらに与えたことは確かだ。

 さらに、今季の賞金女王は、稲見と古江彩佳の一騎打ちに絞られた。現時点での差は「1696万8474円」。古江も最終日に「67」をマークし、しっかりと5位にまで順位を上げている。残り2戦も最後まで目を離せない争いになりそうだ。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
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