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マラソン・駅伝

箱根駅伝まであと1か月!“2強”青学大&駒大の有力ランナーの現状。ダークホースは?

生島淳

2021.12.02

駒大の鍵を握る選手たち。左から花尾恭輔、田澤廉、鈴木芽吹。写真:産経新聞社/金子拓弥(THE DIGEST写真部)

駒大の鍵を握る選手たち。左から花尾恭輔、田澤廉、鈴木芽吹。写真:産経新聞社/金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 対して、駒大はどうか?

 全日本の前、大八木監督は「主力にケガが出ているので、目標は3位以内です」と堅実な目標しか口にしなかった(大八木監督は目標設定については、極めて慎重な指揮官だ)。

 前回の箱根で見事な山上りを披露し、今年は5000mで13分27秒、10000mで27分41秒をマークした鈴木芽吹(2年)が全日本を欠場した。他大学であれば、エースの一角を欠いたとしたら優勝争いには絡めないだろう。

 実際、全日本の8区間をつないだメンバーで、前回の箱根駅伝の優勝メンバーは田澤廉(3年)、佃康平(4年)、そしてアンカーでデッドヒートを制した花尾恭輔(2年)の3人しかいなかった。

 それでも、駒大は青学大を下したのである。

 全日本での収穫は、1区で区間賞を獲得した佐藤条二(1年)、6区で5人抜きの区間2位で走り、逆転優勝へのきっかけを作った安原太陽(2年)の台頭だ。

 全日本メンバーの他にも、11月13日の『激坂最速王決定戦』で好走した大坪幸太(3年)、世田谷246ハーフで3位に入った唐澤拓海(2年)といったメンバーは上り調子。このように中間層の分厚さは青学大にヒケを取ることはなく、鈴木らが戦列に復帰すれば、青学大とのハイレベルな一騎打ちが期待できる。

 こう見てくると、両校ともに戦力は充実しているが、選手の故障が明暗を分けそうだ。前回の箱根駅伝では、青学大の主将だった神林勇太が欠場し、区間配置に狂いが生じてしまった。青学大、駒大ともに選手のコンディションが鍵となってくる。
 
 この2校の力が抜きんでているのは間違いないが、ダークホースとして挙げたいのが、東京国際大と創価大の2校だ。

 東京国際大は、出雲の優勝で力は証明済み。もはや留学生のイェゴン・ヴィンセント(3年)頼みのチームではなく、3年生の丹所健は出雲、全日本と学生トップクラスの力を披露し、箱根駅伝では往路の主要区間で区間賞を獲る勢いだ。そのほかのメンバーも着実に力をつけており、3区終了時点でヴィンセント、丹所の力によって先頭に立つことが予想され、それ以降をどう繋いでいくのか注目される。

 そしてもう一校、前回の箱根駅伝で初優勝を目前にしていた創価大も1月2日、3日にきっちりピークを合わせてきそうだ。

 11月28日に行われた東海大記録会の10000mでは、経験豊富な濱野将基(3年)を筆頭に7人が28分台をマーク。榎木和貴監督は「昨年よりも選手層は厚くなっています」と自信をのぞかせる。

 今回の箱根駅伝は、青学大、駒大の2強対決だけでなく、まだ優勝経験のない学校も面白い存在になりそうだ。

取材・文●生島淳

【PHOTO】創価大と攻防を繰り広げ、大逆転で優勝を飾った駒澤大!第97回箱根駅伝を振り返る
 

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