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マラソン・駅伝

「えらい後ろだな」中央大は転倒アクシデントで出遅れも“風対策”が奏功!指揮官は「目標の戦いは出来た」と2位にも自信

永野祐吏(THE DIGEST編集部)

2021.10.24

ハイペースでレースを進めた2年生コンビ。吉居(右)と中野(左)写真:滝川敏之

ハイペースでレースを進めた2年生コンビ。吉居(右)と中野(左)写真:滝川敏之

 古豪・中央大が今年も箱根駅伝予選会を突破。95回目の出場を決めた。

 前評判通り力のある選手が揃った名門は、チーム10番目のタイムが1時間4分26秒と健闘した。その大きな要因について、指揮官を務める藤原正和氏は「風が吹くというのは事前の予報で分かってましたので、その対策をしっかりとやれた」と話す。

 1周、約2.6キロの立川市陸上自衛隊立川駐屯地の周回コースで開催された今大会。風が吹けば、追い風と向かい風を交互に受けるため、ペースのアップダウンが生まれやすくなり、いわばインターバル走のような状況がつくり出される。

 ゆえに今回の強風には多くの大学が悩まされていたが、中央大は「向かい風のところも頑張る意識を持ち、出来るだけインターバル走のような感覚にならないように」と藤原監督がアドバイス。その結果、多くの選手はイーブンペースで走れ「概ね目標としていた戦いは出来た」と評価している。

 一見、順風満帆そうな中央大だが、実は序盤はアクシデントに見舞われていた。5キロ地点の10人通過順位が23番と出遅れていたのだ。藤原監督によれば、2つの転倒事故が発生していたという。
 
 2年生コンビ吉居大和、中野翔太が日本人先頭争いペースで進め、真ん中のグループに4人、そして最終ラインに6人の布陣で臨んだ。1周目の1キロ付近で、大集団で他校の選手が転倒。その影響で2グループ目は、うまく前にポジション取りが出来ず。さらに3グループ目にいた森凪也も転倒していたのだ。

 レース中には「えらい後ろだな…」と思っていた藤原氏は、レース後に選手から同事情を聞き、感心した様子だ。

「1周目、皆ゆとりもった顔していたので、アクシデントにも動じない気持ちはつくれてきているんだな」

 伝統の「C」マークも秋晴れの下に輝いた。かつての強さを取り戻しつつある中央大は、11月7日には全日本大学駅伝を控える。このタイトスケジュールに40歳の指揮官は、「予選会に向けて作ってきたのと同時に、全日本までちゃんともつように。2レースをちゃんと戦ってこそ本物だよって感じで進めてきた」と語り、「意外と全日本の方が調子上がるのでは」と自信を見せている。

 8位以内を目標に9年ぶりに伊勢路を駆け抜ける同大学に注目だ。

取材・文●山本祐吏(THE DIGEST編集部)
 

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