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格闘技・プロレス

「もう男女関係なく平等に試合を評価してもらいたい――」長与千種がAAAW全権マッチ再戦に挑む“後輩”たちに寄せる熱き想い

どら増田

2021.12.21

橋本(左)と彩羽(右)。この両雄のリマッチは女子プロレス界屈指の好カードだ。写真:どら増田

橋本(左)と彩羽(右)。この両雄のリマッチは女子プロレス界屈指の好カードだ。写真:どら増田

 一方で彩羽は、「10か月かかると言われた復帰が8か月になったのは、ライバルである橋本千紘選手のおかげ。橋本選手からは汚点とまで言われましたが、自分の中でも悔しいですし、復帰してから半年でいろいろチャンスがありましたけど、ずっと結果を残せなくてモヤモヤしていた」と11月のドローへの悔しさを吐露。そのうえで目を輝かせながらタイトル奪取を宣言した。

「自分はこのGAEAのベルト、ずっと見てきて、歴史のあるベルトだと思っている。橋本選手は神棚に飾るとか封印するとか言ってましたけど、神棚に飾っているところも見てないし、結局、ベルトはどうなってるのかなってずっと思ってたんですよ。

 マーベラスは5年間ベルトなしで回してきました。自分が取る(勝つ)ことが出来ればマーベラスで回していきます。置物になるぐらいなら自分はこのベルトの歴史をさらに重ねていきたい。来年マーベラス一発目、しっかりと今年のモヤモヤを晴らすつもりで潰しにいきます」

 互いを刺激し合った2人のやり取りを横目に見ていた長与は、「先日、仙台サンプラザでの一騎討ちを拝見しました。女子プロレス、男子プロレスという定義がありますが、その定義を越えた試合でした」とコメント。さらに「女子でも男子でもなく、プロレスラーとして、格闘技者として、すごく泥臭く、なおかつ負けず嫌いで、素晴らしい試合でした。力、体、技術、すべてがこの2人だったら出せる気がします。どちらに軍配があがるのか。この2人の試合をしっかり見守っていただきたい」と感慨深げに話した。
 
 そして、会見後にも独自取材に応じてくれた長与は、「どちらも勝ち方を知ってるんですよ」と熱弁をふるった。

「橋本選手はレスリングで、彩羽は剣道で国体の選手。橋本選手に至ってはオリンピックに出ていたかもしれないぐらいの選手。新年早々、凄い試合になりますよ。だからこそたくさんの人に見てもらいたいよね。もう男子でも女子でも関係なく平等に試合を評価してもらいたい。この2人なら男女を越えた年間ベストバウトを取れる試合になるから。私が(クラッシュギャルズの時代に)やりたかったことをこの2人なら出来るよ」

 この試合の“値打ち”を熱く語った長与。かつて男子プロレスと対等に見られるために、女子プロレスの世界に男子プロレスのエッセンスを取り入れたパイオニアである彼女は、当時ブームだった長州力やUWFのムーブメントをいち早く女子プロレス界に取り入れ、クラッシュギャルズは国民的な知名度を誇るブームを作り上げた。

 しかし、当時はプロレス大賞に女子プロレス部門がなく、エントリーすらもされなかった。ゆえに長与が今回の同カードに懸ける期待はAAAWという枠を遥かに超える大きいものがある。

 橋本千紘と彩羽匠は、今の日本プロレス界屈指のスーパーファイトだ。そんな大戦が実現する1.10後楽園を見ずして2022年は始まらない。

取材・文●どら増田
 

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