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モータースポーツ

フェルスタッペン対ハミルトンの歴史的激戦と劇的決着、そして日本人ルーキーの奮闘――2021年F1の5大ニュース

THE DIGEST編集部

2021.12.31

◆究極のドラマに水を差した!? 再三物議を醸した判定

 最終戦アブダビGP、ファイナルラップでのフェルスタッペン逆転優勝は究極のドラマとなったが、周回遅れの車の処理などに関するレースコントロールの中途半端な通達は大きな物議を醸し、「結果を操作した」と批判を受けることとなった。また、イギリス、イタリア、サンパウロ、サウジアラビアなどで起きた、フェルスタッペンとハミルトンによる接触の際にも、その一貫性のない判定が悪い意味で話題となったものである。

「整合性のなさや、帳尻合わせの判定が目立つ」「ドライバーによって判定を変えている」「迷いのある裁定が多すぎる」といった、ドライバーやOB、メディアから批判は主に、今季はレッドブル、メルセデスの首脳との無線でのやりとりが注目を集めたレースディレクターのマイケル・マシに対して向けられたが、レースごとにコーススチュワードのメンバーが変わるF1のシステムに問題があるとも指摘されている。

 運営側が物議を醸した点と言えば、他にも今季より導入されたスプリント予選をめぐっての賛否も分かれたものである。来季は史上最多23レースの過密日程の中、この決勝グリッドを争う小規模レースの開催回数は今季の3回から拡大される予定だ。
 
◆元ワールドチャンピオンやベテランが放った輝き

 3年ぶりにF1復帰を果たしたフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は、序盤は新たな環境の適応に苦労して鳴りを潜めたが、新たに導入されたスプリント予選、アゼルバイジャンGPの終盤のリスタートなどで抜群の追い抜き技術を披露し、ハンガリーではハミルトンを数周にわたって見事に抑え込むなど、徐々に元王者の本領を発揮。同僚エステバン・オコンとの連係も良く互いをサポートし合ってチームのチャンピオンシップ5位に大貢献し、自身はカタールで7年ぶりに表彰台(3位)に上がり、復活を印象づけた。

 2007年の王者キミ・ライコネン(アルファロメオ)は、車の問題もあって後方を走ることを余儀なくされ、またクラッシュも少なくなかったが、レースでのタイヤマネジメントの巧さはさすがであり、41歳でもまだ十分にやれることを示したが、9月に引退を発表。2001年にF3も経験せずに最高峰レースに飛び級を果たした天才は、19年間のキャリアで21回の優勝、ポールポジション18回、通算獲得ポイント1873という記録を残してヘルメットを脱いだ。

 4度の世界王者であるセバスティアン・ヴェッテルの、フェラーリからアストンマーティンに新天地を求めた1年目は比較的地味なものとなったが、モナコでの5位、アゼルバイジャンでの2位表彰台は、彼の偉大さを改めて示した。132回のオーバーテイクは今季全ドライバー中最多であり、また新たな勲章が加わることに。ちなみに2位はアロンソ(128回)、3位はライコネン(127回)だった。

 なお、ワールドチャンピオン経験者ではないものの、7回の優勝を記録していたダニエル・リカルドは、新天地マクラーレンで適応に苦しんでランド・ノリスの後塵を拝し続けたものの、イタリアGPではスプリント予選で3番手、決勝ではスタートでトップに立って以降、最後まで順位を守り切って3年ぶりの勝利。若返りを図ろうとしているF1において、彼もベテランの力を見せつけた。
 

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