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フィギュア

「全然上手くいかなくて」――“正真正銘のトップスケーター”鍵山優真が明かした苦悩。18歳はいかにメダルを掴んだか

沢田聡子

2022.04.01

シーズンを終えた18歳は、「この悔しさをまた来シーズンにぶつけていきたい」と意気込んでいる。(C)Gettty Images

シーズンを終えた18歳は、「この悔しさをまた来シーズンにぶつけていきたい」と意気込んでいる。(C)Gettty Images

 世界選手権のショート後には、今季の自分を俯瞰するような発言もしている。

「今シーズン前半は全然上手くいかなくて、気持ちの部分で結構、苦戦していた。それでも冷静になって自分のやるべきことや自分の目標を再確認したら、結果よりも演技の部分を意識するようになったので、ジャンプも落ち着いてできるようになったかな」

 大事な五輪シーズンの序盤で苦しみながら、その原因を分析し大一番までに調子を上げてくる。18歳とはいえ、鍵山は既に自己管理能力に長けたスケーターなのだ。

「毎シーズン毎シーズン自分の限界値を上げていくということをしているので、挑戦は変わらずしていきたい」

 銀メダリストとして臨んだ世界選手権の記者会見で、鍵山はそう語っている。今季から投入した4回転ループを安定させることに加え、新たな種類(フリップかルッツ)の4回転の習得にも取り組みたいという。

 また2年連続の世界選手権での2位をどう感じているのか問われ、鍵山は次のように答えた。

「去年は本当に何も考えないままこの世界選手権に来て、それで銀メダルをとったので、嬉しさもありましたけど、何も考えていなかった銀メダルだったなと思います。今シーズンは、本当に長くて濃い1年だったと思っていて。

 最初から本当に全然上手くいかなくて、自分のスケートを見失っていたり、ジャンプが上手くいかなかったりしたんですけど…それでもシーズン過ごしていくなかで、自分のやるべきことや目標をしっかりと考え直して。そういった様々な道程を乗り越えての今回の世界選手権の銀メダルだったので、すごく悔しさは残りましたけど、達成感はあると思います。これはまた、次の来シーズンに向けての新たな一歩。この悔しさをまた来シーズンにぶつけていきたいなという気持ちが強いです」

 五輪と世界選手権で続けて手にした銀メダルは、鍵山に達成感と悔しさをもたらした。その感情は、きっと来季の原動力となるはずだ。

取材・文●沢田聡子

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