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格闘技・プロレス

バレー男子「龍神NIPPON」の石川主将が感じるチームの変化。ブラン監督の初陣を前に「目標はファイナルラウンド進出」と決意表明!

北野正樹

2022.06.07

 5月18日に合流後、選手に呼び掛けたことはないが、メディアを通じた石川のメッセージが伝わり、ミーティングでもブラン監督が同様の話をしたことで、選手の意識に早くも変化が生まれたようだ。

 自分以外でリーダーシップを執れる選手の出現。「西田(有志)を含め、関田(誠大)やリベロの山本(智大)。MBの山内(晶大)に高橋(健太郎)、サイドの高橋(藍)。MBはブロックに対してリーダーシップを執りメインに動いてくれたし、レセプションに関しては山本がすごく指揮していた。トス、アタックもそれぞれが自分の役割をしっかりと果たしてくれた」と、言葉を続けた。

 一足先に、リーダーシップの自覚と覚悟を身につけていた選手もいた。ビーボ・バレンティアからジェイテクトへの復帰が決まった西田だ。
 
「東京五輪の時は、まだ自分のことで精一杯で、石川主将についていく部分があった」と振り返る西田は、4月24日のJ-STEP(静岡市)での取材に対し、「ついていくのではなく、そういった立場でもう一人(選手が)いたら、もっともっとチームは強くなると思う。(チームの)核になる選手であるべきだと感じた」と意気込みを語っていた。イタリアで7年間、リーグを戦って来た石川に刺激を受けて芽生えた意識の変化だったという。

 石川は「僕から要望などはしていません」と断ったうえで、イタリアでの西田との会話を明かした。「昨年のアジア選手権に(西田は)参加していなかったが、その時にチームを引っ張るという選手がもう一人か二人いれば、結果は違ったのかな、安定して戦えたのかな、という話を少ししました」。

 昨年9月に千葉で開かれたアジア選手権は、海外移籍の関係で西田と関田が代表から外れたこともあり、イランに競り負けてストレート負けを喫し2大会ぶりの優勝を逃した。西田が多くを聞くまでもなく、石川以外にリーダーシップを執る選手が必要だと理解したのは想像に難くない。

 2日の親善試合では、ブラン監督が「今年度の目標」として掲げているブロック面で強化の成果が見られたことも大きな収穫だった。先発したMBの山内(パナソニック)、高橋健太郎(東レ)は相手スパイクをワンタッチで攻撃につなげる場面が何度も見られた。

 特に石川が「ブロックが非常に良かった」と評価したのが、高橋健太郎だった。「山内選手は戦術もうまく使いながらワンタッチを取っていたし、読みというか頭を使ってブロックしているのが印象的。高橋選手は頭を非常に使うスマートなブロッカーで、横の動きも速く手の出し方もきれい。速攻に対しほとんどワンタッチか止めていて、ブラジルにとても通用していた。今までなら、相手の速攻に一発で切られたり簡単に決められたりするケースが多かったが、それがなくなったことが大きい」と成長を感じ取っていた。
 
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