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格闘技・プロレス

那須川天心vs武尊まで残り2日——。日本格闘技界が生み出した”ふたりの最高傑作”はいかなる闘いを繰り広げるか?

橋本宗洋

2022.06.17

「あんまり相手によって闘い方が変わることはないですね。自分を貫くのが一番強い」

 となると、勝負の鍵になるのは那須川の闘い方だろう。武尊に対してどんな距離で対峙し、何を狙うのか。自分からいくか、カウンター狙いか。

 KOすると宣言し、こらまでの人生すべてをぶつけるとも語っており、相当に強い意気込みでリングに上がることは間違いない。「気持ちでは負けない」というのは武尊がよく語る言葉だが、那須川もそこで負けるつもりはないだろう。

 那須川のこの気合いが、試合でどう出るか。前回の試合、4月2日の風音戦は判定2-0の苦戦。同門対決かつ父親の那須川弘幸会長が相手のセコンドにつき、思わずムキになった。倒そうとすればするほど力んでしまう。那須川といえども、気持ちが乱れることがあるのだ。

 では今回はどうか。キックボクシング最終戦。武尊という最高の相手。超満員のドームという最高の舞台。その高揚感が那須川の平常心を削ぐようなことがあれば、それだけ武尊が勝つ可能性は高くなる。ただ風音戦の経験があるだけに、那須川はその反省も踏まえてリングに上がるだろう。

 特別な試合であることがどう作用するか。隙が生まれてもおかしくはないが、逆に極限まで研ぎ澄まされた“究極の那須川天心”が見られる可能性もある。もちろん武尊も最高の状態でくるだろう。2月にホームリング・K-1でエキシビションを行い、体重調整などでヒントを得たという。

 那須川が勝つなら、さまざまなパターンが考えられる。武尊は“一点突破”に期待がかかる。本当にどちらが勝ってもおかしくない。我々にできるのは、一生に一度しか見られない闘いの結果を真摯に受け止めることだけだ。

取材・文●橋本宗洋

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