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ラグビー

【ラグビー】世界2位のフランス相手に番狂わせを起こせるか? “若手×ベテラン”のジェイミー・ジャパンの勝機を探る

吉田治良

2022.07.09

2日の試合で急きょスタメン出場すると、持ち前のスピードで何度も見せ場を披露した李。(C)Getty Images

2日の試合で急きょスタメン出場すると、持ち前のスピードで何度も見せ場を披露した李。(C)Getty Images

 その上で、第1戦で見せたポゼッション・ラグビーをどこまで貫けるかだが、そこでキーマンに挙げたいのが、スターティングメンバ―に名を連ねる若いハーフ団、SHの齋藤直人(24歳)とSOの李承信(21歳)だ。

 第1戦、新型コロナ陽性により離脱となった山沢拓也に代わって急きょスタメン起用された李は、これが代表2キャップ目ながら物怖じすることなく、持ち前のスピードで何度となく見せ場を作った。ただ、後半はフランス守備陣のタックルの標的となり、ミスを頻発したのも事実。その経験を2戦目にどう生かすか。

 一方の齋藤は、的確な状況判断と、パスだけでなく自らもトライを奪える攻撃的なSH。こちらも新型コロナ陽性で一時離脱し、第1戦には出場できなかったが、幸い無症状で再合流を果たしている。

「ボールを継続すれば、スペースはたくさんできる」とHOの坂手淳史・主将が試合後に話したように、第1戦では日本のアップテンポなラグビーにフランスがついていけないシーンも少なくなかった。それだけに、斎藤と李のコンビでいかに素早く密集からボールを出し、ゲームを動かせるかが勝負のカギを握りそうだ。
 
 もちろんパス一辺倒にならず、状況を見てキックも織り交ぜることで、バランスよく攻める臨機応変さも必要だろう。その意味で、ベンチにSO田村優が控えているのは心強い。NDSからトップチームに追加招集されたベテランが、おそらく後半からの出場でその卓越したエリアマネジメントを披露してくれるはずだ。

 同じくベンチには、熟練の“ジョーカー”堀江翔太(新型コロナ陽性から再合流)や、1戦目にトライを挙げたテビタ・タタフもスタンバイ。力強いボールキャリーが魅力のタタフは、インパクトプレーヤーとしてアクセントをもたらしてくれそうだ。

 それでもフランスを倒すのは容易ではないだろうが、第1戦で互角に渡り合ったスクラムも含め、ジャイアントキリングの可能性を感じさせるファクターはゼロではない。若手とベテランが融合したジェイミー・ジャパンが、少なくとも来年のRWCにつながるような魅力的なラグビーを見せてくれるのではないかと、期待している。

取材・文●吉田治良

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