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バレーボール

「日本の男子バレーは終わった」――2大会五輪不出場の“どん底”から這い上がった龍神NIPPON!躍進を支えた“2つの武器”とは?

THE DIGEST編集部

2022.07.28

 その軸になったのがリスクを恐れず攻めるサーブと、サイドのみに偏らずコート中央から仕掛けるミドルブロッカーの攻撃と、同じテンポで仕掛けるバックアタックだ。

 以前は変化を用いるジャンプフローターサーブが多く見られた。しかしボールが変わり、空気抵抗が減ったことで、落差をつけるよりもスピードがより効果的になった現在は、ジャンプサーブが主流になった。“ビッグサーバー”と称される選手が多く存在するようになり、「サーブミスをしないように入れていけ」ではなく「ミスを恐れず攻める」ことが当たり前になった。

 日本代表でも前主将の柳田将洋や、西田といった“ビッグサーバー”が増え、たとえ劣勢になっても1本のサーブから一気に流れを引き寄せることが可能になった。今年のネーションズリーグでも石川が何度も「サーブが武器」と口にしてきたように、石川、西田は大会出場選手の中でサーブランキング2、3位に入るなど数字上でも日本のサーブ力を見せつける形になった。
 
 そこに加えて、これまではエース=アウトサイドヒッターという図式が強く、試合時も大半がレフトやオポジットにボールが集まりがちだった攻撃に変化が生まれた。セッターのセレクトも「ミドルを使える」「バックアタックを活かせる」ということも大きな要素を占め、ネーションズリーグでも主軸として活躍した関田誠大に加え、東京五輪に出場した藤井直伸の存在もチームの躍進につながる大きな要因となった。

 東京五輪を終え、今年度に入りメンバーの変更もあったが、取り組むバレーは変わらない。ネーションズリーグでもイタリア、イランといった強豪国に勝利した背景には、「サーブで攻める」「ミドルとバックアタックを効果的に使う」というこれまでの武器は十分発揮されていた。

 しかしさらに上のステージ、ベスト8の壁を破りメダル争いを繰り広げるためには、ミドルブロッカーの攻撃力はさらなる課題であるのは間違いない。特に予選ラウンド最終日のブラジル戦ではミドルブロッカーの攻撃力の差は歴然としていた。打数や決定本数が上がれば、攻撃力に厚みが増し、さらに勝機も高まる。

 1か月後に始まる世界選手権で躍進を果たすために、日本のミドルブロッカーがどれだけ進化を遂げるか。そしてそのミドルからの攻撃をどれだけ効果的に使えるかが上位進出、メダル獲得へのカギを握るのではないだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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