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格闘技・プロレス

女子バレー日本代表、なぜ真鍋監督は世界選手権の目標を上方修正したのか? パリ五輪を見据え指揮官が求めるものとは?

北野正樹

2022.08.28

女子バレー日本代表を率いる真鍋監督。パリ五輪を見据え、世界選手権での目標を上方修正した。(C) Getty Images

女子バレー日本代表を率いる真鍋監督。パリ五輪を見据え、世界選手権での目標を上方修正した。(C) Getty Images

 点数以外の明確な目標設定も明らかになった。「スピードと正確さが日本のストロングポイント」という眞鍋監督が求めるジャンプサーブの速さは90㌔以上。VNLの後半戦でサーブのスピードが遅くなることが多かった反省から、今回の合宿からスピードガンを導入し「口うるさく言っている」という。

 壮行試合では、同じ選手がサーブを打つ場所を何度も変える工夫もみられた。90㌔をクリアしている宮部愛芽世(東海大)は「真っすぐに回転をかけるだけならスピードがあってもレシーブされやすいので、コーナーから逆コーナーに横回転をかけるようにしている」と話す。

 また、速い攻撃の中でも、「VNLで少し速くしたら、非常に効果的だった」(眞鍋監督)というバックアタックの精度も高めている。
 
 23日から始まった味の素ナショナルトレーニングセンターでの合宿で最初に行ったのは、バックアタックの位置の確認だったという。合宿前に岡山と姫路で行われた世界選手権壮行試合で「セッターの(上げるボールの)位置がバラバラだったので、チーム全員で再確認した」と眞鍋監督。

 アタッカーがボールを打つタイミングは0.8秒以内に設定されており、セッターにはどの位置からでも同じ場所にトスを上げることを求める。

 速い攻撃のカギを握るセッターには、VNL出場の関菜々巳(東レ)、松井珠己(デンソー)から松井が外れ、古傷の手術後のリハビリのためVNL後に合流した籾井あき(JT)が入った。VNLでの眞鍋監督のセッター評は「関はトスが速くバックアタックのコンビも合っている。松井は強気で古賀とも合っているが、連続失点が多かった」といい、籾井については「トスのスピードはまだ遅いが正確で、東京五輪での経験が武器。身長も高く腕も長い。サウスポーも魅力」と招集した理由を説明する。

 ただ、「壮行試合で、サウスポーだからツーアタックを決めてくれと何度も言ったが、4試合で1本も試してくれなかった」と不満も漏らす。籾井は「以前はよくやったが、打たせる側としては自分が決めるより、決めてもらおうと考えているので回数は減った。監督から言われているので、毎回やるという意識で取り入れたい」と話しており、ツーアタックを取り入れることで攻撃の幅は増えるだろう。
 
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