ジャンダルムはホープフルステークス(GⅠ、中山・芝2000m)で2着に食い込んでいるように、クラシックを意識させる存在だった。しかし、日本ダービー(GⅠ、東京・芝2400m)で17着に大敗したのを機に、マイル路線へ進路を変更。それからもなかなか成果が出なかったが、さらに距離を短縮したスプリント戦も射程に入れるなどの取り組みが奏功し、7歳になった今年、オーシャンステークスでようやく重賞を初制覇。その後も2度の2桁着順を続けたものの、今回はやや時計がかかる馬場状態を味方に付け、通算29戦目にしてようやくビッグタイトルを掴み取った。馬の頑張りはもちろんだが、厩舎や牧場スタッフの粘り強いケアも大きな称賛を受けるべきだろう。
ウインマーベルはイン有利の馬場を読み、あえて密集した馬群をさばいて追い込んだ松山弘平騎手の好騎乗が光った。3歳にして勝利まであと一歩というところまで迫った走りは今後の糧となり、また関係者を勇気づけたはずだ。
3着のナランフレグは外を通らなければならない苦しい競馬になったが、それでも上がり3ハロンで最速タイとなる33秒9の鋭い末脚を繰り出して際どく追い込んだ。今後もマークを怠れないと思わせるだけの存在感を示したと言える。
3番人気に推されたシュネルマイスター(牡4歳/美浦・手塚貴久厩舎)は中団の後ろを進んだが、直線でも目立った脚を使えないまま9着に沈んだ。距離不適という疑問から評価を落としたが、その読みが当たってしまった格好。ただ、本当の目標はこの先のマイル路線にあるはずで、ここはステップと見るのが妥当だろう。
さて、今回の大波乱の要因となったメイケイエールの大敗だが、池添騎手が「(前走から)中2週にレース間隔が詰まったことぐらいしか敗因が思いつかない」と述べたと報じられているように、誠に不可解な凡走となった。当日は課題とされたテンションの高さも見せず、レースの流れにも乗れているように映ったことを考えると、確かにレース間隔の問題はあったもしれない。また同時に、牝馬特有のメンタルの難しさが本質的には解消されていないのではないかという疑問が浮かんでくるのも確か。残念なことだが、見る側、馬券を買う側にとっても難しい存在になってしまった。
文●三好達彦
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ウインマーベルはイン有利の馬場を読み、あえて密集した馬群をさばいて追い込んだ松山弘平騎手の好騎乗が光った。3歳にして勝利まであと一歩というところまで迫った走りは今後の糧となり、また関係者を勇気づけたはずだ。
3着のナランフレグは外を通らなければならない苦しい競馬になったが、それでも上がり3ハロンで最速タイとなる33秒9の鋭い末脚を繰り出して際どく追い込んだ。今後もマークを怠れないと思わせるだけの存在感を示したと言える。
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さて、今回の大波乱の要因となったメイケイエールの大敗だが、池添騎手が「(前走から)中2週にレース間隔が詰まったことぐらいしか敗因が思いつかない」と述べたと報じられているように、誠に不可解な凡走となった。当日は課題とされたテンションの高さも見せず、レースの流れにも乗れているように映ったことを考えると、確かにレース間隔の問題はあったもしれない。また同時に、牝馬特有のメンタルの難しさが本質的には解消されていないのではないかという疑問が浮かんでくるのも確か。残念なことだが、見る側、馬券を買う側にとっても難しい存在になってしまった。
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