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フィギュア

【GPファイナル展望】男子シングルを制するのは“世界王者”宇野昌磨か。好敵手となり得る“新時代の旗手”マリニンの現状は?

沢田聡子

2022.12.08

 宇野はフリー後のミックスゾーンで「ファイナルに向かっては期間があまりないので、どういう調整をしていくか・自分の中でどうやっていくかというのは自分で決めなければいけないことだなと、いま冷静に考えています」と語っている。

「僕は今日までの練習、決していい練習はできてこなかったと言いましたけれども、それでも納得しなくても、毎日ずっと自分ができる範囲まで練習してきたことは事実なので。こういう演技内容にもしっかりそれが現れていたと思いますし、ファイナルに向かって期間は短いといえども、ちゃんと今日まで練習してきたものが必ずどこかにあると思うので。しっかりそれを生かしつつ、ちゃんと最高のパフォーマンスを、試合に全力で集中できるパフォーマンスで挑むことを頑張りたいなと思っています」

 一方、18歳の昨季世界ジュニア王者マリニンは、シニアデビューシーズンにして男子シングルの台風の目となっている。

 スケートアメリカではショート4位と出遅れたが、フリーで圧巻の滑りをみせて優勝している。冒頭で高さと余裕のある4回転アクセルを決めて勢いに乗り、4回転4種類5本という超高難度のプログラムを滑り切った。後半に組み込んだ4回転ルッツからの3連続ジャンプでの転倒以外は大きなミスがなく、改めてとてつもない能力を見せつけている。
 
 GPシリーズ第6戦・フィンランド大会ではショート2位スタートとなったマリニンは、フリーはスケートアメリカから少し構成を変えて臨んだ。スケートアメリカでは2つ組み込んでいた4回転ルッツを外し、4回転フリップを跳んでいる。

 最初に跳んだ4回転アクセルは、着氷で手をつく形になりクリーンな成功とはいかなかった。だが、4分の1回転不足がいくつかついたものの4回転5本を含むジャンプを跳んでプログラムをまとめ、金メダルを獲得した。手持ちの4回転の種類が多い強みを生かし、試合によって柔軟に構成を変えて戦える力も示したといえる。

 常に自身にとって最高難度の構成に挑みつつ成熟した表現で魅了する宇野と、ジャンプにおいては既に世界最高といえるマリニン。GPファイナルで繰り広げられる世界王者と新時代の旗手の戦いは、見応えのあるものになりそうだ。

取材・文●沢田聡子

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