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ラグビー

多彩なパス&キックの使い手に、驚異のスプリンターも! 日本の国内ラグビーを盛り上げる“ファンタジスタ”5選【リーグワン】

向風見也

2023.02.18

●山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ・28歳)
スタンドオフ、フルバック/176センチ・ 84キロ

 中学まではラグビーに加えてサッカーにも親しみ、丸いボールの方で全国有数の強豪校からも誘われた。

楕円球に専心するようになったのは、当時の深谷高ラグビー部監督だった横田典之氏に「2019年(ワールドカップ日本大会)の日本代表で10番を」と手紙で伝えられたから。以後はボディバランスとひらめきで天才と謳われ、18歳で日本代表の候補合宿に呼ばれるようになった。

 しなやかにタックルをかわす走り、相手の意表を突く多彩なキックが光る。スペースに転がった球をドリブルで弾ませ、軽やかに走ってトライを決めるさまは拍手喝采を呼ぶ。

「何をモチベーションにするかというところは、正直、自分のなかで定まり切っていないところではあります。ただ目の前のひとつ、ひとつの積み重ねが大切になってくる」
 
 練習熱心でもある。


●クウェイド・クーパー(近鉄ライナーズ・34歳)
スタンドオフ/187センチ・90キロ

 オーストラリア代表76キャップのレジェンドファンタジスタ。同僚のシオサイア・フィフィタ曰く、「すごく、タフな人」。どんな状況下でも落ち着いていて、プレーの質が変わらない、という意味だ。

パスをもらう際は果敢に防御の壁に仕掛ける。そのままぬるりと抜け出したり、タックラーに捕まる間際や捕まった直後に、多彩なパスを繰り出したり。昨季は、右端から左端へアメリカンフットボールで見られるようなワンハンドパスを通したこともある。

今季は開幕前からの怪我で長期離脱中だが、春までには復帰できるか。所属先のライナーズは目下、開幕7連敗中だ。2019年の来日以来、味方にも高いプレー水準を求めてきたこの人は、クラブの浮沈もカギを握る。


●クワッガ・スミス(静岡ブルーレヴズ・29歳)
ナンバーエイト/180センチ、・94キロ

 ラグビーでファンタジスタと言えば、幻惑的なプレーをするバックスの戦士が想像される。ただ、ぶつかり合いの激しいフォワード第3列にもファンタジスタと形容されうる人がいる。ブルーレヴズの闘将だ。

 一線級にあっては決して大柄ではないのに、相手の接点に何度も腕、肩を差し込む。ターンオーバーを決める。大型選手に正面からタックルしながら、そのままボールをもぎ取ることもある。

15人制のみならず、スピードを擁する7人制でも南アフリカ代表になったことがある。それだけに浮き球を捕る時のジャンプ力、パスをもらって走り出す際の加速力も光る。

「細かいことを気にするのではなく、自分がチームのために何ができるかを考えながらプレーします」

 三菱重工相模原ダイナボアーズに27―27と引き分けた第5節。味方のイエローカードで数的不利を強いられていた前半29分以降の10分間で、立て続けにジャッカルを繰り出した。両軍のファンを驚愕させるファンタジスタ。

構成●向風見也

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