専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

【フェブラリーS】1年の休養を経て4歳から始まった快進撃!名馬を父に持つレモンポップがGⅠ初挑戦・初制覇の快挙

三好達彦

2023.02.22

 レモンポップ陣営の田中調教師は戦前の共同記者会見で「1600mはギリギリ(もつ)距離」と語っていたように、距離適性の面で若干の不安を持っていたそう。しかし、オーナーが躊躇するトレーナーの背を押して、フェブラリーステークスへの出走に踏み切ったという。
 

 今回、初めて手綱をとった坂井瑠星騎手はそうした面を十二分に把握し、ぎりぎりまで追い出しを待って末脚を温存するという実にクレバーな騎乗を見せ、パートナーをタイトル奪取へと導いた。

 今後の予定は「オーナーと相談してから」(田中調教師)ということだが、筆者は、いつの日か生まれ故郷で、ダート競馬の本場である米国で走ってくれることを願って止まない。

 2着のレッドルゼルは、川田将雅騎手の後方待機という思い切った騎乗も手伝って、JBCスプリント(JpnⅠ、金沢・ダート1400m)を制し、また海外でもドバイゴールデンシャヒーン(GⅠ、メイダン・ダート1200m)で2着となった能力が7歳になっても衰えていないことを示した。

 3着に追い込んだメイショウハリオは、前述したようにスタートでの数馬身以上のロスが返す返す残念な一戦となってしまった。離れた最後方から進み、4コーナーからは外を回る形になりながらもひと際目を引く末脚を繰り出しただけに、浜中俊騎手や岡田調教師もさぞや悔しい思いをしただろう。

 ただ、メイショウハリオの得意距離は2000mでもあり、今後はダートグレード競走での巻き返しに期待したい。

 4着に敗れたドライスタウトだが、全体的に差し・追い込みが台頭する厳しい流れのなか、現状での力は出し切ったのではないか。もともと全日本2歳優駿(JpnⅠ、川崎・ダート1600m)を勝った実績を持つことに加え、まだ4歳という若さもあり、これからの成長次第でトップを窺う存在となる可能性もあるだろう。

 その他で見どころがあったのは、地方競馬から参戦したスピーディキック(牝4歳/浦和・藤原智行厩舎)。直線では前が詰まりっぱなしで、まともに追えないままでも6着に食い込んでおり、こちらも短距離のダートグレード競走でのマークは必須と言える。
<了>

取材・文●三好達彦
【関連記事】キャリア10戦オール連対レモンポップが春のダート王に一番近い!? 一方、史上初参戦の外国馬は能力に疑問符【フェブラリーS】

【関連記事】【名馬列伝】強烈な印象を残したダイワスカーレットの強さ! “牝馬の時代”を象徴したウオッカとの「二強対決」を振り返る

【関連記事】【名馬列伝】JRA不世出の牝馬ウオッカ。“最高傑作”を生んだカントリー牧場の系譜<前編>
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号