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フィギュア

羽生結弦が『GIFT』に込めた想いとは――。“半生を描いた物語”も「1人になった時に帰れる場所を提供できたら」

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2023.02.28

北京五輪のプログラムを披露した羽生。プロデューサーとしての拘りが垣間見えた。(C)2023 GIFT Official

北京五輪のプログラムを披露した羽生。プロデューサーとしての拘りが垣間見えた。(C)2023 GIFT Official

 第1部は雄大な自然を映し出したプロジェクションマッピングとともに『火の鳥』の物語を象徴するかのような“不死鳥”の衣装で登場。オープニングで観客のハートを掴む。

 続いて、久石譲さんが作曲した2016-17シーズンのフリー『Hope & Legacy』、映画『千と千尋の神隠し』より『あの夏へ』で繋ぎ、『GIFT』の世界観にさらに引き込むと、2018年平昌五輪のショート『バラード第一番』を演じた。

 VTRをはさみ、会場の照明が突然明るくなった。すると、「選手の皆さんは、6分間練習を始めてください」とアナウンスがされ、会場は騒然。アスリートの表情に戻った羽生は、3分ほど氷の感触を確かめると、ジャージを脱ぐ。衣装は、北京五輪のショートで演じた鮮やかな水色。その意味を受け取った観客はドッと沸いた。

 北京五輪では氷上の穴にはまり、冒頭の4回転サルコウが跳べなかった。羽生は『序奏とロンド・カプリチオーソ』を第1部の締めに選んだ理由を「あの時に夢を掴み切れなかったから、夢を掴みきった演出をしたかった」と答えた。

 競技者として、またプロデューサーとして両面の顔を見せた羽生は「このGIFTというストーリーの中にも“夢”っていう存在が、ものすごくあって。そういう意味でも、前半の一幕の中で“夢”を掴みきったという演出をしたかった」と説明した。
 
 第2部は冒頭から『Let's Go Crazy』、『Let Me Entertain You』、Adoの『阿修羅ちゃん』で観客を一気に盛り上げた。プロジェクションマッピングを駆使した視覚的な演出に加え、壮大な音楽で『オペラ座の怪人』、『いつか終わる夢』、『Notte Stellata』など、過去の名プログラムを演じ、当時よりも洗練された表現力を醸し出した。

 これらのプログラムを『GIFT』に組み込んだことについては「演出を加えることで、また新しい意味をつけられるのではないか」と考え、「物語の中の一つのピースとしてプログラムが見られたときに、どんなことを皆さんは受け取ってくださるかを考えながら構成していきました」と説明した。

 加えて、「言葉のない身体表現だからこそ、受け手の方々がいろんなことを感じることができるというのが、フィギュアスケートの醍醐味と思っている」と羽生は付け加えた。
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