対抗格には２頭を挙げたい。

　１頭目は、これも人気になるのは避けがたいが、天皇賞・春（ＧⅠ）を制したジャスティンパレス（牡４歳／栗東・杉山晴紀厩舎）である。最近の勝ち鞍が3000ｍ以上であるため距離不足ではないかという疑問を持たれそうだが、昨秋の神戸新聞杯（ＧⅡ）では今回の同距離の芝2200ｍで勝利を挙げており、不安はまったくない。加えて、阪神コースは〔２・０・１・０〕と、馬券圏内を外したことがないという巧者でもある。

　２頭目に挙げたいのが、人気薄が予想されるヴェラアズール（牡６歳／栗東・渡辺薫彦厩舎）だ。昨年、ジャパンカップ（ＧⅠ）を勝って以降は、年末の有馬記念が10着、今年３月のドバイワールドカップ（ＵＡＥ・ＧⅠ）が13着と大敗が続いているが、前者は出来自体に疑問があったし、後者は久々のダート競馬。それも、世界最高レベルの相手では仕方のない結果だった。

　帰国後はしっかりと馬体を立て直し、追い切りでもこの馬らしい切れを取り戻している。何より強調材料なのが、舞台が２戦２勝という大得意の阪神芝コース。上位人気になるジャスティンパレスよりも、配当面を考慮してヴェラアズールを上位に持ってくるのも一考である。
  　４番手以下の２、３着候補には、まず一貫して一線級の馬たちと対戦してきて安定した成績を残しているディープボンド（牡６歳／栗東・大久保龍志厩舎）。そして、牡馬相手にも好戦を続けている良血ジェラルディーナ（牝５歳／栗東・斉藤崇史厩舎）をピックアップする。

　ほかには、あくまで押さえとしての評価になるが、阪神コースが得意なダノンザキッド（牡５歳／栗東・安田隆行厩舎）、ベテランながら力の衰えが見えないボッケリーニ（牡７歳／栗東・池江泰寿厩舎）、近年は牝馬の活躍が目立つという点も含めて、２連勝中と勢いのあるスルーセブンシーズ（牝５歳／美浦・尾関知人厩舎）までを置く。

　ともあれ、筆者にとってイクイノックスはデビュー戦以来ずっと推し続けてきた、いや惚れ込んできた馬である。今回もまた、彼の走りっぷりをしっかりと目に焼き付けようと思っている。

※誤解を招く表現があったため、一部修正しました。

文●三好達彦

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