後がない第３セットで序盤から３点のビハインドを負った日本だったが、粘りの守備を大塚が２得点に変えるなどして巻き返し、さらに小野寺のネットインエースで逆転に成功する。２点リードで迎えた終盤、反撃の機会を探るイタリアを、石川が意地の守備とブロックで突き放し、自らの打球で１セットを奪い返した。

　フルセットへ持ち込みたい日本は第４セット、大塚と関田の好守から序盤に３連続得点を挙げて優位に試合を進める。しかし、再び終盤にイタリアが猛攻を開始。世界選手権のベストブロッカー、ガラッシが大塚を２打続けてシャットアウト。ロマノにエースを決められるなど５連続ブレークを許して一気に劣勢へ追い込まれると、再びガラッシのブロックが炸裂。20－23で今度は西田のバックアタックを２連続で阻止され、４セット目も力負けで譲り渡し、悔しい初黒星を喫した。 　石川が全体２位の21得点（アタック17、ブロック３、エース１）、西田は20得点（アタック16、ブロック１、エース３）、大塚もアタックのみで15得点を記録した。チームとしては、被ブロックが13本。セット終盤の締めくくり方が課題に残る一方、西田の復調と高橋（藍）の不在を感じさせない大塚の躍動が収穫となった。

　イタリア代表のフェルディナンド・デ・ジョルジ監督は、「厳しい戦いだった。日本が無傷で連勝を続けたのは、偶然ではなく実力。我々はこれまでに積み上げてきたすべてを尽くして戦った」と全力で臨んだ試合を振り返った。また、世界選手権３連覇を果たした1990年代に代表選手として300試合以上に出場した名将は、日本のハイレベルな攻撃と守備を絶賛。とりわけ自分と同じポジションの関田に、「極めて優秀なセッター」と称賛の言葉を贈った。

　日本代表は、現地７月９日の予選最終戦で世界トップに君臨するポーランドに挑む。

文●佳子S.バディアーリ

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