2つ目は、V2、V3チームの不満だった。多くのチームが地域と共生する新しい「Vリーグ」に加盟することになるが、議論はV1を主体にしたSVリーグ中心に進められたことから、「機構側からちゃんとした説明がない」という声が噴出。置き去りにされていると感じた一部チームからは、Vリーグから脱退し自分たちで運営する新たなリーグ立ち上げを模索する動きもあった。
「新しいリーグを作ろうという動きがあったことは、間接的に伺っていました。最初に世界最高品質の『SVリーグ』をどういう形で進めるかを踏まえ、木でいうと根の部分にあたる『Vリーグ』が大事なので、地域に密着したリーグにどのようにすればいいかを考えました。V2、V3チームへの説明が十分であったかと言われると足りないところもあったかも知れません。ただ、1年半の中で、各チームからご意見は伺っていました」と明かす國分会長。
國分会長らが個別にチームを訪問し、丁寧な説明とチーム側の要望を聞き取り、構想案に反映していく作業を繰り返す中で、当初は22年12月に予定していた新リーグ構想の概要発表は、23年2月15日まで延びた。
「機構の理事や機構内からも『準備期間として、もう1年あったほうがいいのでは』という声も上がりました。確かに準備期間を長くするといいとは思いましたが、24-25年シーズンからスタートさせると宣言して、みんなでそこを目指してやろうとまとまって来たので、予定通りに進めようと決めました。結果論ですが、決断は間違っていなかったと思います」と國分会長は振り返る。
膠着した議論は、大河正明副会長(びわこ成蹊スポーツ大学学長)が就任した22年9月から、一気に進展することになった。
「最大限、フェアウェイは広くしました」。23年2月15日、構想案を発表した大河副会長は、ゴルフに例え、トップカテゴリーを目指すチームが参入しやすいような環境整備をしたことを説明した。
Jリーグ常務理事、Bリーグチェアマンとして、サッカー、バスケットボールの改革に携わって来ただけあって、就任直後から中期計画のスケジュール変更に着手。各チームからのヒアリングで大きなネックになっていた分社化問題について、「基本的に分社化は求めません。『我々は福利厚生費で賄う』というチームを排除するつもりはありません」と、各チームの実情に沿った運営方針を認めた。
グリーン上のピンを狙う方向が同じなら、どこにボールが落ちてもOBにならないようにフェアウェイを広くしてプレーをあきらめさせない。強引に分社化を求めることで脱退する可能性があるチームを増やすより、参加条件を緩和してスタートさせ、分社化のメリットを実感してもらえばいい、という発想の転換だ。
今回の新リーグ構想で、改めて浮き彫りになったのは、企業スポーツの存在が、決して“悪”ではないことだった。
「新しいリーグを作ろうという動きがあったことは、間接的に伺っていました。最初に世界最高品質の『SVリーグ』をどういう形で進めるかを踏まえ、木でいうと根の部分にあたる『Vリーグ』が大事なので、地域に密着したリーグにどのようにすればいいかを考えました。V2、V3チームへの説明が十分であったかと言われると足りないところもあったかも知れません。ただ、1年半の中で、各チームからご意見は伺っていました」と明かす國分会長。
國分会長らが個別にチームを訪問し、丁寧な説明とチーム側の要望を聞き取り、構想案に反映していく作業を繰り返す中で、当初は22年12月に予定していた新リーグ構想の概要発表は、23年2月15日まで延びた。
「機構の理事や機構内からも『準備期間として、もう1年あったほうがいいのでは』という声も上がりました。確かに準備期間を長くするといいとは思いましたが、24-25年シーズンからスタートさせると宣言して、みんなでそこを目指してやろうとまとまって来たので、予定通りに進めようと決めました。結果論ですが、決断は間違っていなかったと思います」と國分会長は振り返る。
膠着した議論は、大河正明副会長(びわこ成蹊スポーツ大学学長)が就任した22年9月から、一気に進展することになった。
「最大限、フェアウェイは広くしました」。23年2月15日、構想案を発表した大河副会長は、ゴルフに例え、トップカテゴリーを目指すチームが参入しやすいような環境整備をしたことを説明した。
Jリーグ常務理事、Bリーグチェアマンとして、サッカー、バスケットボールの改革に携わって来ただけあって、就任直後から中期計画のスケジュール変更に着手。各チームからのヒアリングで大きなネックになっていた分社化問題について、「基本的に分社化は求めません。『我々は福利厚生費で賄う』というチームを排除するつもりはありません」と、各チームの実情に沿った運営方針を認めた。
グリーン上のピンを狙う方向が同じなら、どこにボールが落ちてもOBにならないようにフェアウェイを広くしてプレーをあきらめさせない。強引に分社化を求めることで脱退する可能性があるチームを増やすより、参加条件を緩和してスタートさせ、分社化のメリットを実感してもらえばいい、という発想の転換だ。
今回の新リーグ構想で、改めて浮き彫りになったのは、企業スポーツの存在が、決して“悪”ではないことだった。