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マラソン・駅伝

「いつも通り」のトレーニングを“単独”で完遂した大迫傑。2度目の五輪代表入りに確固たる自信「いい走りをするだけ」【MGC】

酒井政人

2023.10.14

 ハードな練習をひとりで行なうのは簡単なことではない。しかし、大迫は自身に課したトレーニングをやり切ったことで、心身ともに、さらにたくましくなったようだ。

「前回以上のトレーニングをひとりで淡々とこなせたことは、僕のなかでも自信につながるのかな。身体の状態は非常にいいと思うので、ベストな状態で臨みたい」

 4年前のMGCは「ラスト1キロで仕掛けたいと思っていたんですけど、脚が残っていなかった」と中村匠吾(富士通)のスパートに敗北。服部勇馬(トヨタ自動車)にもかわされて、東京五輪代表内定条件となる「2位以内」を確保できなかった。

 それでも約半年後の東京マラソンで2時間5分29秒の日本記録(当時)を打ち立てて、東京五輪代表をゲット。札幌でも美しい走りを見せた。

 前回「2位以内」に入った中村と服部は今回出場しない。今年の東京マラソンで先着された山下一貴(三菱重工)と其田健也(JR東日本)は約7週間前に世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)を走ったばかり。大迫の記録を破って男子マラソンの日本記録保持者になった鈴木健吾(富士通)はレースから遠ざかり、1年7か月ぶりのマラソンとなる。前回のMGC後に台頭してきたランナーに不安が残るなか、大迫は粛々と準備を進めてきた。今回は『大本命』と言えるかもしれない。
 
 大迫はどんなレースを披露するつもりなのか。「優勝にこだわるのか?」という質問にこう答えている。

「今までも自分自身にプレッシャーをかけてきましたし、この場で言うのは僕らしくもないので、ベストを尽くせればいいかな。その結果、上位に食い込めて優勝できたらいいなと思います。とにかく、いつも通り上位に絡むようないい走りをするだけです」

 32歳になった大迫傑。今回のMGCも冷静に攻めていく。

文●酒井政人

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