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マラソン・駅伝

箱根駅伝予選会で日本人No1の前田和摩はどんな選手? 逸材の可能性を徹底分析!かつての早大名ランナーを彷彿させる

酒井政人

2023.10.26

 小指徹監督によると前田の設定タイムは15㎞が44分15秒で、フィニッシュタイムが1時間02分15秒だった。実際はというと前田は20㎞(58分34秒)までの5㎞を14分27秒まで引き上げると、日本人トップの個人9位でゴールに飛び込んだ。

 タイムは三浦龍司(順大)が4年前に行なわれた雨の予選会で樹立したU20日本記録に1秒と迫る1時間01分42秒。レース条件を考えると、三浦のパフォーマンスを上回るような快走だったといえるだろう。

「日本人トップは無理な目標ではないと思ってやり続けてきたので、自分の思いが実って良かったです。自分は距離が長い方が得意だと言い続けているんですけど、さらに自信を持って言えるかなと思います」

 予選会で快走した前田は箱根駅伝でどんな活躍を見せるのだろうか。

 今井正人、佐藤悠基、柏原竜二、大迫傑、設楽悠太、中村匠吾、服部勇馬、鈴木健吾、塩尻和也、田澤廉、吉居大和。筆者は四半世紀近く学生駅伝で活躍した選手たちを取材してきたが、歴代ランナーのなかでイメージが近いのは竹澤健介だろう。

 竹澤と比べてラストのキレは劣るが、持久力は前田の方が上かなという印象だ。

 なお竹澤の早大1年時は予選会で日本人トップを奪うと、箱根駅伝は2区で区間11位(1時09分55秒)。2年時は2区を1時間07分46秒で走破して、区間賞を獲得している。
 
 シューズの進化と箱根駅伝の高速化を考えると、前田が希望している2区を担うことになれば、1年生で「1時間6分台」を狙えるポテンシャルはあるだろう。

 竹澤は大学3年時に大阪世界選手権(10000m)、4年時は北京五輪(5000m・10000m)に出場している。大学卒業後は故障もあり、マラソンに挑戦できなかったが、前田はトラックよりもマラソンで勝負できる選手だと感じている。

 まずは東農大が14年ぶりに出場する11月5日の全日本大学駅伝でスーパールーキーの走りに注目したい。

取材・文●酒井政人

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