実際、アルファタウリの空力部門は、英国のビスターに拠点を置いているが、ミルトンキーンズにあるレッドブルの風洞やCFDを使用するようになっており、よりレッドブルとのシナジー強化を進めているイタリア籍チームだが、『FORMU1A.UNO』は「2024年の彼らの目標は、より『レッドブル化』した車を持つことだ」として、以下のように続けた。
  「アルファタウリは、AT05（仮名）を常にポイント圏内に位置させることを目指しており、それはバイエル新CEOの目標でもある。レッドブルとの間には、2016年以来のフェラーリとハースの間にあるよう技術的な関係が構築されるだろう。技術的なシナジーは、（2026年から）フォードのパワーユニットが導入されて以降も、メカニカル面で強化される予定だ」

　ドライバー人事でも、今季はニック・デ・フリースがシーズン途中でシートを喪失し、ダニエル・リカルドが後釜となるなど慌ただしかったアルファタウリ。まさに変革の時を迎えているという印象のチームにおいて、過去２年に比べて明らかな成長を遂げている角田裕毅は数少ないポジティブな要素であり、また彼自身もチームの「レッドブル化」においては恩恵を受ける形となっている。

　ドライバーとしても、チームとしても、残り２戦でも結果を残して、良い印象を与えて苦しかったシーズンを終えることが望まれるアルファタウリ。そして、「レッドブル・ブランドにより関連性のある名称」（同メディア）で再スタートを切ることになる来季、母体チームとの非常に強い結びつきの下でこれまで以上の繁栄の時を迎えられるかが興味深い。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】角田裕毅が３ポイント獲得！ ブラジルGPスプリントレースハイライト