「『ビザ』や『キャッシュアップ』、あるいは両方を組み合わせて呼ぶのは全く愚かだが、『RB』と呼ぶのは、書き言葉にも、話し言葉にも適していない」とも。ちなみに同メディアによれば、「RB」は以前に新名称候補とされた「レーシングブルズ」を表わすのではなく、あくまでも「アールビー」と呼ぶらしい。「レッドブルという20年間にわたってマーケティングの強さに誇りを持ってきた企業のチームのうちのひとつが、独自の明確なアイデンティティーを持たなくなったという事実は、大きな混乱を招くことになる」（同メディア）。

　すでにチームの中では、新名称の単語の頭文字をとった「VCARB」、あるいは「V-CARB」が使用されているとのことだが、同メディアは「今回の件はレッドブルの不確実性と明確な方針の欠如を感じさせ、彼らの迷いを示唆している。もしかすると、これはレッドブルがセカンドチームを売却する時のため、チームのアイデンティティーを徐々に取り除き、外部の買い手に魅力的に見せようという願望の表われなのかもしれない」と勘ぐっている。

　同じくイギリスのモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、「F1史上最悪のチーム名であり、レッドブルとF1全体にとって恥ずべきものだ」と酷評し、「それは愚かなだけでなく、欲深い想像力の欠如を露呈している。それは、チームで働く人々にとっては気力を奪うものであり、何億人もの視聴者に対して、これは真剣に受け取られるべきコンペティターではないことを示してしまっている」と訴えた。
  　さらに続けて、「発表前に情報をリークしていった方法も、戦略という点で大きな疑問を投げかけている。もし（レッドブルの創業者で昨年10月に亡くなった）ディートリヒ・マテシッツがいたならば、このようなことが起こったとは考えにくい。レッドブルの経営とは、驚異的な想像力を持ったマーケティング戦略に基づいているからだ」とも指摘している。

　SNS上では批判や皮肉、新たなスポンサーをもじったジョークなどが多く見受けられ、元F1ドライバーのギド・ヴァン・デル・ガルデは「F1チームに相応しい名前ではない」と意見を語った。一方、チームの一員であるリカルドは、自身のSNSで「新しい名前、新しいカラーリング、レッツゴー・ベイビー！」とだけ投稿している。

　果たして、「Visa Cash App RB」という名前にどのような意図が込められ、どのような効果をチームが期待しているのか。それらはこの先、見えてくるだろう。また、間もなく幕を開けるシーズンで、この新生チームの呼称が何に落ち着くのかも興味深い。

構成●THE DIGEST編集部

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