トレセンで評判をとっていたフサイチコンコルドがデビューしたのは1996年1月5日、3歳となってからだった。舞台は京都の芝1800m、手綱は23歳の藤田伸二がとった。藤田が所属した境直行厩舎は小林の厩舎と隣り合わせの位置にあり、「境さんのところにいる威勢のいい”あんちゃん”」こと藤田を小林が気に入って可愛がり、自厩舎の期待馬を彼に託したのだった。
その新馬戦、単勝オッズ1.9倍の1番人気という厚い支持を受けたフサイチコンコルドは、道中3番手を進むと直線で難なく前を差し切り、2着に1馬身半差を付けて初勝利を挙げた。
2戦目は2か月後のオープン特別、すみれステークス(阪神・芝2200m)。ここでも2.1倍の1番人気に推されたフサイチコンコルドは中団を追走しながら徐々にポジションを上げ、先団に並びかけて直線へ向くと力強く抜け出し、後続の追い込みを3/4馬身差で退けて連勝。賞金を上積みしてクラシック戦線を射程に入れた。
しかし、ここからフサイチコンコルドは試練のときを迎える。 まず体調がすぐれずに十分な調整ができなかったため、クラシック一冠目の皐月賞(GⅠ)を回避。目標をダービーに切り替え、3着以内に優先出走権が与えられるトライアルの青葉賞(GⅢ、東京・芝2400m)への出走を目指したが、ゴールデンウィーク中に起こる高速道路の渋滞を憂慮して、これも自重した。そしてその翌週、2着以内に優先出走権が与えられるオープンのプリンシパルステークス(東京・芝2200m)への出走を決めて東京競馬場へ長距離輸送を行なった。
ところが現地へ到着したフサイチコンコルドは高熱を出しており、翌日にはさらに熱が上がったため、出走を断念して栗東へと取って返した。無理して走らせることもできなくはなかったが、万全の状態でなければ使わないというのが小林の流儀だった。
収得賞金の上積みができず、一時はダービーへの出走が危ぶまれたが、回避馬が相次いだため、ゲートインがかなったフサイチコンコルドだが、東京への輸送後、またも恐れていた事態が起こる。輸送熱で体温が上がってしまったのだ。
本来ならばレースを回避するところだったが、迷いに迷った末、小林は自らの流儀を曲げて出走に踏み切る。何と言っても、いまだ制したことがないドリームレースであり、フサイチコンコルドにとっても生涯一度きりの日本ダービーだったからだ。
その新馬戦、単勝オッズ1.9倍の1番人気という厚い支持を受けたフサイチコンコルドは、道中3番手を進むと直線で難なく前を差し切り、2着に1馬身半差を付けて初勝利を挙げた。
2戦目は2か月後のオープン特別、すみれステークス(阪神・芝2200m)。ここでも2.1倍の1番人気に推されたフサイチコンコルドは中団を追走しながら徐々にポジションを上げ、先団に並びかけて直線へ向くと力強く抜け出し、後続の追い込みを3/4馬身差で退けて連勝。賞金を上積みしてクラシック戦線を射程に入れた。
しかし、ここからフサイチコンコルドは試練のときを迎える。 まず体調がすぐれずに十分な調整ができなかったため、クラシック一冠目の皐月賞(GⅠ)を回避。目標をダービーに切り替え、3着以内に優先出走権が与えられるトライアルの青葉賞(GⅢ、東京・芝2400m)への出走を目指したが、ゴールデンウィーク中に起こる高速道路の渋滞を憂慮して、これも自重した。そしてその翌週、2着以内に優先出走権が与えられるオープンのプリンシパルステークス(東京・芝2200m)への出走を決めて東京競馬場へ長距離輸送を行なった。
ところが現地へ到着したフサイチコンコルドは高熱を出しており、翌日にはさらに熱が上がったため、出走を断念して栗東へと取って返した。無理して走らせることもできなくはなかったが、万全の状態でなければ使わないというのが小林の流儀だった。
収得賞金の上積みができず、一時はダービーへの出走が危ぶまれたが、回避馬が相次いだため、ゲートインがかなったフサイチコンコルドだが、東京への輸送後、またも恐れていた事態が起こる。輸送熱で体温が上がってしまったのだ。
本来ならばレースを回避するところだったが、迷いに迷った末、小林は自らの流儀を曲げて出走に踏み切る。何と言っても、いまだ制したことがないドリームレースであり、フサイチコンコルドにとっても生涯一度きりの日本ダービーだったからだ。
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