アスコリピチェーノから素晴らしい末脚を引き出したクリストフ・ルメール騎手は、「スタートがあまり良くなくてスピードに乗れず、少し忙しいレースになりました。追ってからも何度も手前を替えて、トップスピードに乗るまでには時間がかかりましたが、メンタルが強く、最後までよく頑張ってくれました」と、アスコリピチェーノの勝負根性を賞賛。豪州と中東、2度にわたる海外遠征が彼女のハートをタフにしたという要素もあったのかもしれない。
また黒岩陽一調教師は、「今日の湿っていた馬場状態で進みが悪くなりました。好きな馬場ではなかったようでした。(接戦を)しっかりと勝ち切ることができる、強い精神力には頭が下がる思いです。(今後は)状況を見極めてからになりますが、安田記念(6月8日)の参戦も視野に入れています」とコメント。アスコリピチェーノは3歳だった昨年の京成杯オータムハンデ(GⅢ)で古馬牡馬を破って優勝を飾っているだけに、安田記念への参戦に期待したい。
2着のクイーンズウォーク、3着のシランケド、4着のアルジーヌは紙一重の競馬。なかでも伸びづらい内目を突いたシランケドの健闘は目を引くものであり、アルジーヌも直線半ばでクイーンズウォークにぶつけられる不利がなければ(川田将雅騎手は斜行に関して3万円の過怠金)、もっと際どい戦いになっていた可能性さえあった。今後の走りにも注目すべき存在である。
今年のヴィクトリアマイルを緊迫感のあるスリリングな戦いにした立役者は、何と言っても果敢に逃げたアリスヴェリテ。厳しいペースで飛ばしながら0秒1差の5着に粘った走りは見どころ十分。池添謙一騎手の小気味よい手綱さばきとともに敬意を表したい。
ステレンボッシュは大阪杯(G1)で13着に大敗したあとで復調が期待されたが、まだ本調子には戻っていない模様。またボンドガールは速いペースのなかでも引っかかる様子が見られ、終盤に脚を失くしたのも必然と言える。こうした暴発は昨年のNHKマイルカップでも見せており(17着)、メンタルの課題をあらためて露わにしてしまった。両頭ともポテンシャルの高さは認められているだけに、今後、陣営がどういう策を講じてくるかをマークしておきたい。
文●三好達彦
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