専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ラグビー

現場は賛否両論!リーグワン新登録制度で日本ラグビーは強くなるのか?「代表強化に繋がるかどうか…」「長い目で見たらよりよくなる」

向風見也

2025.05.21

 今後のモデルチェンジは日本出身者の出番を増やせるほか、海外選手へも好影響を与えそうだ。
 
 長らく日本ラグビー界の指導現場にいるコーチのひとりは、最近、外国人選手の勤勉さが失われてきたと見る。これから枠が狭まることで、特に「カテゴリB」にハングリーな実力者が集まりやすくなり、各チームの文化や試合の競争力がもっとポジティブになると期待していた。

  他方、「カテゴリA-2」勢への負荷は激増する。

 新レギュレーション下では「カテゴリC」の登録、同時出場の上限は3枠、「カテゴリB」「カテゴリC」の合計の登録の上限は6枠となっている。「カテゴリA-1」以外に充てられる先発7枠中6枠を「カテゴリB」「カテゴリC」で埋めてもよいため、「カテゴリA-2」への門戸は狭まってもおかしくないのだ。

 さらに現在、「A-1」に「優遇」されるのに必要な日本代表30キャップ以上を持つ「A-2」はリーチ マイケル、ヴァルアサエリ愛、ツイ ヘンドリックの3人のみ。そのうち2024年度の代表に呼ばれたのはリーチただひとりだ。2019年のワールドカップ日本大会に出場して「多様性」の象徴となったベテランは、ほとんどが30キャップ未満である。

 東海林専務理事は「(来年以降)代表の試合が増える。(いまより)多くの選手が 30(キャップ) に達すると想定し」。しかし、国際統括団体のワールドラグビーの定めでは、ルーツを持たない国で代表資格をもらうには5年以上の協会登録がマストになる。現在「カテゴリB」の選手が将来的に「カテゴリA-1」を目指すとしたら、その道のりは長い。

 あるクラブの幹部は、こうも懸念する。

「カテゴリBにはスーパーラグビー(南半球最高峰リーグ)で優れた実績がありながら、自分の国で代表になるのが難しいと見て来日した選手が多い。彼らが選手として脂ののった年齢で入ってきて、数年でパフォーマンスが落ちれば帰国するかもしれない。その間にカテゴリA-2の選手があまり出られなくなるなら、それは(リーグの主目的である)日本代表の強化に繋がるのかどうか…」

 身体のぶつけ合いをリードしてきたり、戦力均衡化の調整弁的な役目を担ったりしてきた海外勢が減るとなれば、一時的なレベルの停滞も心配される。

 初代王者である埼玉パナソニックワイルドナイツのロビー・ディーンズヘッドコーチが「そうなる(レベルが落ちる)とは思っていない。長い目で見たらよりよくなっていく可能性はある」とする一方、別な1部参戦チームの首脳陣のひとりは厳しく指摘する。

「わざわざ自国リーグのレベルを下げるのは世界でも日本ぐらいのものだ」
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号