マラソンでは中村匠吾、服部勇馬ともに厳しいレースとなったが、ふたりとも大学時代からマラソンへの適性を監督に見込まれて準備を重ねてきた。
服部の場合、2016年の東京マラソンにエントリーし、終盤までトップを走ったが、最後に失速した。当時から、東洋大の酒井俊幸監督は大学から社会人へのスムーズな連携を主張していた。
「勇馬の場合、2016年の東京マラソンに向けては、じっくり足を作りたい時期に箱根駅伝があったのはたしかです。箱根を考えると、ハーフでのスピードを重視したトレーニングとなり、ベタっとしたスタミナ系の練習が出来ない。最後のスタミナが足りなかったのはそのせいです。それでも、大学生のうちに課題が見つかるのは大きな収穫で、きっと社会人になってから大きく育ってくれるでしょう」
服部も、中村もオリンピアンへと成長したが、今回の結果は、改めてオリンピックというひとつのレースに焦点を合わせることの難しさをも実感させる。
今回、5000mでは坂東悠汰、10000mでは相澤晃と伊藤達彦と、箱根駅伝のエースたちがトラックで活躍できたのも、ここ数年、大学での競争がハイレベルで推移したことの表れだと思う。
そしていま、三浦龍司の出現によって、大学界は新たな次元に突入したように思える。
今年のロードシーズンが楽しみだ。
取材・文●生島淳
【著者プロフィール】
いくしま・じゅん/1967年気仙沼生まれ。海外ではNBAやMLB、国内ではラグビー、駅伝、野球等、幅広くスポーツを追うジャーナリスト。駅伝関係の著書には『監督と大学駅伝』(日刊スポーツ出版社)、『箱根駅伝』『箱根駅伝 新ブランド校の時代』(ともに幻冬舎新書)、『箱根駅伝 勝利の方程式』『箱根駅伝 勝利の名言』 (ともに講談社+α文庫)など多数ある。
服部の場合、2016年の東京マラソンにエントリーし、終盤までトップを走ったが、最後に失速した。当時から、東洋大の酒井俊幸監督は大学から社会人へのスムーズな連携を主張していた。
「勇馬の場合、2016年の東京マラソンに向けては、じっくり足を作りたい時期に箱根駅伝があったのはたしかです。箱根を考えると、ハーフでのスピードを重視したトレーニングとなり、ベタっとしたスタミナ系の練習が出来ない。最後のスタミナが足りなかったのはそのせいです。それでも、大学生のうちに課題が見つかるのは大きな収穫で、きっと社会人になってから大きく育ってくれるでしょう」
服部も、中村もオリンピアンへと成長したが、今回の結果は、改めてオリンピックというひとつのレースに焦点を合わせることの難しさをも実感させる。
今回、5000mでは坂東悠汰、10000mでは相澤晃と伊藤達彦と、箱根駅伝のエースたちがトラックで活躍できたのも、ここ数年、大学での競争がハイレベルで推移したことの表れだと思う。
そしていま、三浦龍司の出現によって、大学界は新たな次元に突入したように思える。
今年のロードシーズンが楽しみだ。
取材・文●生島淳
【著者プロフィール】
いくしま・じゅん/1967年気仙沼生まれ。海外ではNBAやMLB、国内ではラグビー、駅伝、野球等、幅広くスポーツを追うジャーナリスト。駅伝関係の著書には『監督と大学駅伝』(日刊スポーツ出版社)、『箱根駅伝』『箱根駅伝 新ブランド校の時代』(ともに幻冬舎新書)、『箱根駅伝 勝利の方程式』『箱根駅伝 勝利の名言』 (ともに講談社+α文庫)など多数ある。