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【女子卓球総括】“飛びぬけた“世界2位の実力を示した日本。それでも王者の壁は高かった

佐藤俊

2021.08.11

 幸い、石川はフォアを磨いて今年の全日本選手権で優勝するなど、一皮むけて強くなり、団体戦ではリーダーシップを発揮するなど人間力を増した。平野も今大会に向けてサーブとレシーブ強化に務め、スタイルも相手のミスに乗じる安定型から球威のある球を打ち返す攻撃型に変えた。成長をまだ続けており、伸び代がある。

 今回、サポートに回った早田ひなは今回の五輪の戦いを目に焼き付けており、次のパリ五輪はかつての平野のように「自分が」という思いが強いだろう。また、彼女たちを凌ぐ、あるいは脅威となる選手が出てくれば、さらに日本の女子卓球陣の層は厚くなる。そうあるべきだし、そうならなくては中国に勝つのは難しい。孫穎莎は20歳、王曼昱は22歳ながらその強さは群を抜いている。彼女を越えるべく中国には、これからも続々とすごい若手が登場してくるだろう。
 
 東京五輪で、日本は飛びぬけた世界2位であることを証明した。
 だが、1位の中国とはまだ大きな開きがある。

 3つのメダル獲得に沸く中で、厳しい現実を思い知らされたが、パリ五輪まで3年の間で、どこまで中国に肉薄し、追い詰めることができるのか。

 中国を倒すべく、厳しく、苦しい挑戦がもう始まっている。

文●佐藤俊(スポーツライター)

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