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食と体調管理

「オリンピアンとして人の役に立ちたい」6大会連続出場のスノーボード・竹内智香がオリンピックから得た人生観と競技生活を支える食習慣

松原孝臣

2022.12.01

写真:GettyImages

写真:GettyImages

■大怪我などを克服し計6度のオリンピック出場

--目標のメダルを獲得したソチのあと、2016年には左膝前十字靱帯断裂の大怪我を負っています。

 診断を受けたときは若干ほっとした気持ちもありました。ソチのあと、2018年の平昌オリンピックへ向かっていましたが、成績も下がっていたし、銀から金というあと一歩の階段は想像以上に難しいものです。

 遠征がつらいなと感じたり、朝起きてウォーミングアップするのもやりたくないなと思ったり、なぜ引退しなかったんだろうと考えたこともありました。ですから、「これで少し休めるんだ」とほっとした気持ちがありました。

--それでも復帰しました。

 まずは座れるようになること、歩けるようになること、そうした小さな目標を重ねていく状態になったのがよかったと思います。とはいえ簡単な道のりではなく、腫れたり水がたまったり。問題なく使えるようになったのは、本当に最近ですね。

--そして平昌オリンピックを迎えました。

 成績もよくないし、正直スタートに立つのが嫌でした。予選通過もできないんじゃないかと。なによりも「金メダルを目指します」という目標を果たせないのではないかという怖さがありました。それでも5位と入賞を果たせて、ホッとしたという思いがありました。

 また、敗退したあと試合やフラワーセレモニーを見ていて、敗者がいるから勝者がいること、そうしたいろんなことに支えられて華やかでいい舞台がつくられているんだなと感じたとき、初めて自分が獲ったメダルの価値に気づいた気がしました。
 
--その後いったん、競技から離れた時期がありますが。

 引退する気がほぼ100%でした。でも帰国すると、応援してくれているみんなから「北京もいけるよ」と言葉をかけられて。引退という言葉をいうタイミングを逃してしまいました(笑)。

 でも続けられる環境があるのはありがたいことですし、少し休んでいろいろな世界を見る中で、自分がいた雪山という職場がすごく素晴らしい仕事場なんだと気づけました。

 6度目の出場になった北京オリンピックは、いろいろな気づきがある大会でした。2年半休んでどう復帰していくか過程を知ることができたこと、若い選手と練習した経験、人生経験として捉えればコロナ禍での大会もよかったと思います。
 

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