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“祝50歳”ロベカルの「物理に逆らったゴール」と故セナの「伝説のオープニングラップ」、ブラジル英雄の究極技に2日連続で再脚光!

THE DIGEST編集部

2023.04.13

 スタート時のエンジンストールでポールポジションから13番手まで落ちながらも、28周目にトップをプロストから奪って初のワールドチャンピオンに輝いた1988年日本GP、車の性能差を活かして独走していたウィリアムズのナイジェル・マンセルが残り8周でリアタイヤにトラブルを抱えてピットインしたことでトップに立ち、凄まじい残り3周でのバトルを制した1992年モナコGPなど、多くの名レースを演じたセナだが、この雨のドニントンこそベストであると見る者は少なくない。
 

 オランダのF1専門サイト『RN365』は、「41回の優勝と3度のワールドチャンピオンを果たしたセナが、F1史上最高のドライバーのひとりとして、その猛烈なスピードと比類のない能力を示した代表的なレースのひとつであり、ドニントンでの彼は他のドライバーに対して圧倒的な優位性を示した」と振り返っている。

 前年限りでのホンダの撤退によってパワフルなV12エンジンを失い、希望したウィリアムズのシートはプロストに奪われたことで、一時は休養も噂されながら、最終的に一戦ごとの契約でF1に参戦し、第2戦のブラジルGPで雨のレースをモノにして母国2勝目を飾り、そしてドニントンでも雨を味方にしての勝利で、ポイントリーダーとなったセナ。マクラーレンMP4/8が予想以上にバランスに優れていたとはいえ、「ブラジル人の壮大なドライビングは、F1史上最高のパフォーマンスのひとつと広く考えられている」(同メディア)。

 このシーズンは、以降プロストが勝利を積み重ねて4度目の世界制覇を果たし、セナはすでにタイトル争いが終結した終盤の2レース(日本、オーストラリアGP)で優勝。そして翌年、ウィリアムズに移籍したものの、1勝も挙げることなく、第3戦のサンマリノGPでレース中にタンブレロ・コーナーでコンクリートウォールに激突し、34歳でその生涯を閉じている。ヨーロッパGPは、彼にとって最高にして、最後のスーパーレースだったと言えるかもしれない。

 30年前にブラジルの「音速の貴公子」が披露した「伝説のオープニングラップ」もまた、F1がどれだけテクノロジーが進化し、その様相を変えようとも、その歴史におけるハイライトシーンのひとつとして、今後どの時代においても見る者をエキサイトさせることだろう。

構成●THE DIGEST編集部
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