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食と体調管理

「長くトップで活躍し続けることでこれからのバレーボール界の指標になりたい」大怪我を乗り越えて東京五輪出場を果たした清水邦広の新たな目標と日々を支える食習慣

元川悦子

2023.09.01

写真:GettyImages

写真:GettyImages

――2020年に入って復帰を果たし、これからという時にコロナ禍に突入し、東京五輪が1年延期されました。

 コロナはもう制御しようもなかったので、本当に仕方ないなという思いが強かったです。僕自身も目の前のことにいっぱいいっぱいで、膝の状態もベストではなかった。福澤とは「東京五輪は一緒に出よう」と約束していましたが、助け合って目指すのではなくお互いにいっぱいいっぱいだからこそ「オリンピックの舞台で現地集合しよう」というのを合言葉に頑張っていきました。

――迎えた大舞台。清水さんは代表入りしましたが、福澤さんは選外となってしまいました…。

 そうですね。福澤は一緒には行けなかったですけど、つねに応援してくれましたし、連絡を取り合いながら「試合頑張ってな」「次の試合が大事だぞ」と声をかけてくれた。僕としては一緒に戦えたんじゃないかと思ってます。

 もし五輪が延期になっていなかったら、彼は出られたかもしれないと思うことはあります。でもそれは本当に仕方のないことでした。
 

写真:GettyImages

――清水さんにとっては13年ぶりの大舞台。日本は初戦・ベネズエラ戦勝利からスタートしました。

 五輪には独特の雰囲気があって、その中で普段通りのバレーボールができるかどうかが重要でした。東京では若い選手たちがイケイケで怖いもの知らずのプレーをしてくれたことが大きかった。彼らは僕らが若手だった頃の10倍も20倍も凄かったです。その勢いで相手の方が受け身になっていましたね。

 無観客開催は残念でしたけど、スタッフの方々が声を出せない中でも拍手してくれたり、日本の人たちから目に見えない応援の力を感じられたのも試合に影響したと思います。

――印象的だった試合は?

 やっぱりイラン戦ですね。勝てば決勝トーナメント進出、負ければ敗退っていう大一番。フルセットにもつれ込み、石川選手の2連続サービスエースから始まったんです。そこから本当に強い日本が始まったなっていうのはありますね。

 リオから一緒にやってきた石川選手、山内(晶大=パナソニック)など後輩たちを見て、本当に頼もしくなったなと思いましたね。

 さらに西田選手(パナソニック)、高橋藍選手(パッラヴォーロ・パドヴァ)、大塚(達宣=パナソニック)選手とか頼もしい選手がどんどんどんどん増えてきて、五輪で好成績を残せるくらいの選手が集まってきた。僕が長年、代表に入っていた中で、今の日本が歴代最強なんじゃないかなと痛感しました。

――そう思えたから、彼らに全て託して代表を退くことができたのではないですか?

 そうですね、僕自身も年齢的にはもう代表ではきついと思いますし、パフォーマンス的にも若手にすごいプレーを見せつけられたから、代表に関してはもう満足かなと感じました。
 

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