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【名馬列伝】ウオッカ、アーモンドアイより先に“世界制覇”に届きかけたファビラスラフイン。ハナ差に泣くも牝馬の可能性を開拓

三好達彦

2023.10.10

 前走同様、ファビラスラフインは難なくインの2~3番手に付けると、エリシオを斜め前に見ながら進行。レースはミドルペースで進み、勝負は直線での末脚勝負になった。

 馬群からまず、米国のストラテジックチョイス(牡5歳)が抜け出そうとするが、若き天才と呼ばれるランフランコ・デットーリ(イタリア)が手綱をとる、モハメド殿下(UAE)の秘蔵っ子・シングスピール(牡4歳)が内から脚を伸ばす。

 そこへもう1頭、馬群をさばいて伸びてきたのが日本の牝馬だった。ストラテジックチョイスが争いから脱落し、残り1ハロンからはシングスピールとファビラスラフインの火が出るような壮絶な叩き合いとなり、2頭は馬体を併せたところでゴールした。
 
 日本牝馬が初の頂点に立つのか。運命の写真判定の結果、勇気ある挑戦を仕掛けたファビラスラフインは、シングスピールに僅かにハナ差だけ届かず2着に敗れた。だが、3着同着のストラテジックチョイスとエリシオには1馬身1/4差を付けており、1996年のジャパンカップは「シングスピールと、ファビラスラフインの名勝負」と言うべきレースとなった。

 その後、ファビラスラフインは年末の有馬記念で10着に大敗。休養中に骨折や屈腱炎を発症し、翌年3月に引退を発表。惜しまれながらターフを去った。

 現役生活は約10か月、走ったのはわずか7レースにすぎないが、ファビラスラフインは最も早く「世界制覇」に手をかけた牝馬として、いまもファンの記憶のなかで生き続けている。(文中一部敬称略)

文●三好達彦

【動画】シングスピールと世紀の叩き合いを演じたファビラスラフインをプレイバック

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