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食と体調管理

常に観察し、失敗を怖れず挑戦を繰り返して前へ――。「失敗は成功のもと」を実証してつかんだオリンピック代表キャプテン。食生活からもうかがえるブレない姿勢

THE DIGEST編集部

2023.11.01

写真:@remianri(本人インスタグラム)

写真:@remianri(本人インスタグラム)

■観察し、失敗し、また観察する。その繰り返しが挑戦であり、成長である。

――失敗から学び、成功するための道筋を見つける習慣を身につけていた。

 すべてにおいてチャレンジすることは、僕の中では当たり前のこと。失敗を怖れる人がいますが、怖いのは別に失敗そのものではないんですよね。失敗した先の「他人からの評価」が怖い。自分の部屋に一人でいて、何かに挑戦して失敗しても何も怖くないじゃないですか。周りに人がいる状況で挑戦すると怖くなる。僕は幼い頃からそんなことを気にせず、“失敗をしなきゃ成功しない”ことを経験してきたので失敗することは全然恥ずかしいことじゃないんです。

――失敗を怖れない、自ら求めていけるのは強みになります。

 失敗も一つの「発見」ですから。観察して試して、失敗してまた観察して…としながら前へ進んでいくのは、もう身についています。そのおかげでおそらく他人より観察力が優れていて、誰かが目の前で何か動きをしてくれたら大体一発で真似できるんです。

 例えば、ダンスが結構得意なんですが、ダンスを教えてもらったことはありません。でも得意なのは、動きを観察して“あ、ここに体重をこのタイミングで乗せているから綺麗に見えるんだな”と、本当に細かいところまで観察できるからだと思います。

――その観察眼はハンドボールをプレーする上でも間違いなく役立ちます。

 観察をどこに向けるかというのも大事です。例えば僕は脳を観察することをします。誰でも嫌なタイミングがやってきた時、思わず目をつむりますよね。すると嫌なシーンがすごく流れてくる。それは思い出したくない瞬間であったり、嫌なヤツの言葉だったり。

 それらを全部、成功体験に書き換えていくんです。そして、本気で信じる。すると、脳って勘違いするんです。自分の脳を勘違いさせる成功体験を染み込ませると、次に同様なシーンが訪れた時――例えばシュートを外してしまったのと同じシチュエーションなど――、勝手に成功シーンが頭に残っているので、それを行動に移せる。脳の可能性って、本当にすごい。時間はかかりますけど、脳をもっとコントロールしてマインドコントロールできるように、「自分の脳を勘違いさせる」ことはよくやっています。
 
■食生活について

――観察しながらトライアンドエラーを繰り返し、状況を改善していく土井選手の考えは、ハンドボール以外のすべてのことに適用できると思います。例えば食生活でも?

 意識しているのはバランスよく食べることです。もちろん、昔から嫌いなものもありました。でも、その都度挑戦してみる。もしかしたら好きになっているかもしれません。苦手な食材でも一度、口に入れてみるというのは昔からずっとやっています。

――どんな食材が苦手だったのでしょうか?

 以前はトマトやオリーブなど野菜が苦手で、豚肉も好きではなかったです。でも今は全部大好きになりました。今では好き嫌いはほとんどありません。フランスなど海外でもあまり苦労しないです。

――逆に好きな料理や食材はありますか。

日本であればオーソドックスですが焼肉であったり、カレーであったり。フランスではチーズ料理。留学していたシャンベリはチーズが有名な地方だったので、ラクレットやチーズフォンデュを好んで食べていました。苦手だったトマトも今では大好きで、カプレーゼを自分で作って食べています。キノコもすごく好きですよ。

――キノコは最初から好きでしたか?

 はい。お父さんがピザ屋をやっていまして。そのピザのメニューの中に椎茸とハムのピザあるんです。それが好きだったのがきっかけかもしれません。

――特に好きなキノコはありますか?

 幼い頃からあらゆる種類のキノコを食べていました。今も手頃で手に入りやすいエリンギやマイタケ、シイタケをスーパーで買ってよく食べています。たまにアヒージョを作ったり、あとバターと醤油であぶって食べるだけでもおいしいですよね。串焼き屋さんに行ってもキノコを頼んでいます。キノコの天ぷらでも好きですし。また、料理とは少し違うかもしれませんが、トリュフ風味の料理が好みです。

――キノコは低カロリーで栄養価が高く、アスリートにも人気の食材です。

 栄養価でいえば、キノコとブロッコリー、そしてビタミンAの部分でニンジン。この3つを食べていればすべてを補完できると考えています。ブロッコリーとシイタケをごま油で炒めて、ソテーみたいにして食べるだけでめちゃくちゃおいしい。少し塩気が足りなければハムを加えてもいいですし、簡単にできるソテーでもかなり栄養価が高いので好んでよく食べています。

――栄養バランスを学んだりはしているのですか?

 自ら意識して取り組んだことはありませんが、代表活動をしていた時は、栄養士さんが帯同していたりするので、何が大事なのか質問したりしています。考えるベースとして知っておきたいので。

――年齢を重ねることで食事量や意識する栄養素に変化はありましたか?
 
 以前に比べ胃もたれするようになってきたので、脂っこいものが少し食べづらくなってきたかなという感じです。僕は食べないとどんどん痩せていってしまう体質なので、学生時代は毎食ご飯大盛り3杯、1日6000kcalは食べていました。

 ハンドボールはコンタクトスポーツなので、ある程度の身体の大きさ、筋肉、脂肪が必要なので食べて身体を大きくしなければいけません。ポジション的にはそこまで大きくなくてもいいのでまだ助かってはいますが、痩せないように今も頑張って3000~4000kcalは取るようにしています。代表でも2番目に多く食べていました。でも、その量に胃が耐えられなくなってきた分、よりバランスを意識しています。
 

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